2025年04月27日(日)CIVI研修センター新大阪東
全体風景
「 怖いものを怖いと知らないことが一番怖いこと、改めて絵本の力を実感しました」
小田由美
2025年度 第1回「絵本講師の会」全国合同交流会が4月27日(日)、CIVI研修センター新大阪東にて開催されました。先日講座を修了した21期生を含む、約50名が参加しました。
森ゆり子理事長の挨拶から始まり、加藤美帆理事によるはばたきの会の会則の説明、今年度の役員紹介があり、参加者の拍手を持って会則が承認されました。そして自己紹介、支部紹介と続きます。
支部紹介
支部紹介では、各支部の活動や、zoomを利用しての交流などがあることを知りました。絵本講師の資格を取ったものの、どう動いたら良いのか分からず、ポツンと取り残されている気持ちでいましたが、支部の存在を知り、私にも活動できるんだと感じました。
舛谷 裕子 理事
そのあと、舛谷裕子理事(芦屋3期生)から「絵本講座をする前に」のお話がありました。広報活動から講座準備などのアドバイスを聞くことができ、とても参考になりました。
藤井勇市 顧問
午前中最後は藤井勇市顧問の「読み聞かせについて考える」と題してのお話でした。絵本の話だけでなく、今の日本の現状など様々な話題についての時事放談が行われました。
四國 光 氏
午後からは、画家・詩人である故 四國五郎氏のご長男 四國光氏による【四國五郎の「反戦表現」と、『絵本 おこりじぞう』に込められたメッセージ】の講演がありました。まず講演の初めに、2020年に国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の大型スクリーンで上映されていた「時を超えた兄弟の対話ーヒロシマを描き続けた四國五郎と死の床でつづった直登の日記ー」を観ました。原爆によって18歳という短い生涯を閉じた最愛の弟 直登さんの日記を中心に、画家として生涯、反戦・核兵器廃絶を訴えつづけた兄 五郎さんとの時を超えての対話が再現されていました。戦争によって失われた命がたくさんあること、戦争によって家族を失うということ、とても胸が苦しくなりました。こういった残酷な事が現実に起こっていたのだと深く考えさせられました。
また、絵本『おこりじぞ』(金の星社)の読み聞かせがあり、これは昔話ではなく、現在と地続きの物語であるということや、四國五郎さんの絵に込められた思いを知りました。怖いものを怖いと知らないことが一番怖いことである。そして一番正しく怖がる必要があるのが「戦争」。一番大事なことは、戦争の記憶を絶対に風化させてはいけないことなのだと語られました。
さらに、絵本の力とはゼロを1にする力、気づき(種)を与える力、その気づき(種)がやがて子ども自らが自らを知る知力となることを教えていただきました。絵本の力が子どもを守る、改めて絵本の力のすごさを実感しました。
四國 光 氏とスクリーン
大長 咲子副理事長
講演後にはグループワークがあり、既に活動をされている方のお話が聞けたり、これから講座を始めたいという方からの質問に応えたり、悩みや情報を交換できるとても貴重な時間となりました。
今回の交流会で全国にたくさんの絵本講師の先輩方や仲間がいることを実感できました。焦らず、今できることから一つひとつ進め、活動を広げていきたいと思えた1日でした。(ながやま・みのり)
第1回 絵本講師の会(はばたきの会)全国合同交流会交流会リポート 永山みのり(芦屋21期生)