「絵本フォーラム」第44号(2006.01.10) |
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『ずいとんさん』 (日本の昔話 日野十成/再話、斎藤隆夫/絵、福音館書店 こどものとも傑作集) ずいとんさんという小僧さんが一人で留守番をしていると、キツネがいたずらをしにやってきて、それが見つかると本堂のご本尊様に化けて身を隠す。ずいとんさんは、本物のご本尊様はお経をあげると舌を出すと言って、キツネの正体を見破る。日本画の手法を生かした絵がユーモラスな昔話の世界を描き出している。 |
『マーシャと白い鳥』 (M.ブラートフ/再話、出来根育/文・絵 偕成社) 弟と留守番をするはずだったマーシャは、遊びに行って、弟を一人にしたため、弟を魔女ババヤガーにさらわれてしまう。そこで、マーシャはかまどや、りんごの木や小川を助け、そのお礼として道を教えてもらい、弟を助けに行く。マーシャの心の中を映し出しているかのような幻想的な絵が魅力的。ロシアの昔話。 |
『ハブの棲む島 伝説の ハブ捕り名人と奄美の森の物語』 (西野嘉憲/写真・文、ポプラ社) 奄美大島でハブ捕り名人と言われた南竹一郎さんのハブ捕りの様子と、ハブとハブの棲む森の様子を写真と文で綴ったノンフィクション絵本。表紙は大竹さんの手につかまれたハブが牙を向いた写真。ハブと他の生き物と大竹さんをはじめとする人々が共生している様子が、「生きる」とは何か、「自然」とは何かを考えさせる。 |