私の絵本体験記

「絵本フォーラム」100号(2015年05.10)より

絵本でイクメンやってみた!!

山根 一将さん(兵庫県明石市)

山根 一将さん体験記"

 長男が生まれる直前、私は1冊の本と出会った。『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)である。その本によると、子どもの心を育てるうえで、いちばん大切なものは、自己評価(自己肯定感・自尊感情)といわれるものを育むこと。

 お父さんが育児をすると、子どもの自己評価が高くなる、というのだ。私は、積極的に育児に関わるイクメンとなることを決意した。子どもが生まれ、絵本でイクメン作戦スタート。『いないいないばあ』を読んでみると、全くの無反応。「あれっ、反応なし?」「思てたんと違う~」。

 こんな始まりでしたが、すきま時間を見つけては読み聞かせを続けました。現在、長男は7歳、長女は4歳、絵本が大好きで感受性たっぷりに成長しています。親子4人の読み聞かせ生活は本当にかけがえのない体験となりました。「絵本講師・養成講座」を受講し始めてすぐ、『ちびゴリラのちびちび』(ほるぷ出版)の存在を知った私は、「これはええ本や~」「うちの子に読んでやりたい~」と思い、2人をひざに抱え読み聞かせをしました。結果は、うす~い反応。

 「絵本で子育て」センターのバイブルに対してこの反応はないやろ~。なんとか反応を引き出そうと、私はタイトルを真面目な顔をして真面目な声でさかさまに読んでみた「びちびちのらりごびち」。すると、ゲラゲラゲラ……と大笑い。それ以来、我が家ではこの名作は、さかさまに読むとめっちゃ面白い本として認識されたのでした。おしまい。(やまね・かずまさ)

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