絵本は子育てに良い。そう聞いていた私は何でも良いのだろう、と自分好みの本や「〇〇が泣いた」「母と子の為の365話」「赤ちゃんも喜ぶ」などの帯が付いた絵本を読み聞かせていました。しかし涙もでず、面白みを感じられずにいた私は、「自分はひねくれているんだなぁ。子どもの絵本って何が良いのか意味が分からないなぁ」と疎外感をもちつつ、「早く寝てくれ~」とイライラしながら読んでいました。
ところが今ではどうでしょう。5歳になった娘と私は、夜になると少しでも絵本の時間を長くする為に、早く寝室に行こうと必死になるのです。そして……
娘「今日は何冊読んでくれるの?」
私「んー。遅くなったから2冊かなあ」
娘「え~。3冊じゃないの!!じゃあ、これとこれ」
私「お母さんは、こっちが良いなぁ」
娘「ほーちゃん(娘の名)は、これとこれなの」
私「こっちも読もうよ」
娘「(ニヤニヤしながら)じゃあ3冊だね」
と、いうやり取りが行われるのである。もちろん本棚には私が選び抜いた(と言えるはずの)本しかないのでどの絵本も面白いのですが……。どうやら娘よりも私が絵本の世界にのめり込んでしまい、読まずにはいられなくなってしまったのです。
お母さんの声は金の鈴と言うけれど、子どもと一緒に読む楽しさに気がついたのです。思いがけない場面で反応する不思議さ、絵本に集中しているまなざしの真剣さ。何にも代えがたい大切な時間なのです。私と娘の絵本体験は始まったばかりです。これからどんな絵本に出会えるのか!ワクワクしています!
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(ひぐち・あけみ)
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