私の絵本体験記

「絵本フォーラム」106号(2016年05.10)より

これぞ、まさに!!

小山 倫未(大阪府箕面市)

これぞ、まさに!!  今年、私はやっと親として10年目を迎え、長男はあっという間に小学4年生となる。  1歳の頃、すっかり絵本好きとなった長男も絵本から児童書へと移行を遂げ、興味関心の枝葉は、どんどん広がり伸び続けている。自ら図書館に通い、どっさりと借りてくる。  見つからなかった本は予約をして帰ってくる。  そんな長男が兄になったのは、一昨年。現在、一歳半となった次男はやりたい放題のわんぱく坊主。とにかくお兄ちゃんが大好き。お兄ちゃんが本を読めば、自分も絵本を持ってきて同じポーズで読む真似をし、お兄ちゃんが絵を描けば、自分も一生懸命になぐり書き。おまけに家族の誰に対しても、お兄ちゃんの愛称で「あっちゃん」と呼ぶ。  そして、お兄ちゃんに読み聞かせをせがむこともしばしば。長男も快く引き受け、時々語りかけながら、上手に読んでくれている。これぞまさに『ぶーちゃんとおにいちゃん』(島田ゆか/著、白泉社)そのものである。独身の時に、本屋で手に取り、あまりの可愛さに思わず衝動買いした絵本。出産を待ちわびる長男と共に読み、きっとこんな風になるねと楽しみにしていたが、本当にその通りになった。さらに付け加えるならば、弟がお母さんに甘えれば、お兄ちゃんも甘えたくなる。就寝前も、弟が絵本を持ってくれば、お兄ちゃんだってあれこれ迷いつつ、絵本を選び持ってくるようになった。  こんな感じで、お互いに影響し合える、家ならではの『ぶーちゃんとおにいちゃん』が、これからも楽しみである。
(こやま・ともみ)


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