私の絵本体験記

「絵本フォーラム」110号(2017年01.10)より

「子どもからもらう幸せ」

中尾 敦子 (兵庫県朝来市)

なかお・あつこ 子どもからもらう幸せ 私は以前、子どもとどうやって接したらいいのか分かりませんでした。自分の子どもが生まれて、赤ちゃんとどうやって遊んだらいいんだろう? と思った時に「絵本は子育てに良い」という話を聞きました。まだ0歳でしたが、150冊ほどの「良質絵本セット」を一気に購入しました。

  手の届く所に沢山の絵本がある環境。これがとても良かったようで、私も子どもも、どんどん絵本が好きになっていきました。抱っこしながら、また一緒に寝転びながらの絵本タイムはとても楽しいひとときとなりました。『はじめてのおつかい』・『しょうぼうじどうしゃじぷた』(福音館書店)などのお気に入りの絵本は、私も子どもも文章を全て覚えてしまうほどでした。シリーズ『ばばばあちゃんのおはなし』(福音館書店)も大好きで、私の祖母の姿と重なったらしく、子ども達は曽祖母を「ばばばあちゃん!」「ばばぁばあちゃん!」と呼んでいました。

 末娘は小学2年生ですが、今でも「セリフを交代で読もうよ!」と言ったりして、親子での絵本タイムを楽しんでいます。先日『しろくまのそだてかた』(飛鳥新社)を読んだ時には、「しろくまは抱っこやあなたの笑顔が好き」のページで、娘が「私もママの笑顔が一番好き~」、とぎゅっと私に抱きついてくれました。絵本を通して私自身が、子どもから沢山の愛情と幸せをもらっているのだと改めて気づき、とても嬉しくなりました。絵本を通して子育てする楽しさや子どもからもらえる幸せを、沢山の方に知っていただけたらと思います。
(なかお・あつこ)


前へ次へ