リレー

「 子どもと楽しむ幸せな時間
(青森・福聚保育園保育士 ・泉山 智子 )


 
 緑に囲まれた広い園庭に今日も子どもたちの元気な声が響き渡ります。ちょっと足をのばせばあちこちに自然があふれ、子どもたちの五感を楽しませてくれます。

 散歩に行った神社の境内でダンゴムシを見つけ、大事そうに手のひらに包み込む男の子たち。帰り際に「ダンゴムシにばいばいだね」と言うと名残りおしそうにそっと土に戻します。そんな時は、園に帰って『ダンゴムシみつけたよ』(皆越ようせい/写真・文、ポプラ社)の絵本を読みます。
  ページをめくるとダンゴムシを見つけた時の喜びや手の中で動いた時のモゾモゾした感覚を思い出しもう一度盛り上がるのです。

 日中たっぷりと活動した子どもたちが午睡に入る前、どこのエリアからも絵本を読む声が聞こえてきます。「今日の絵本は何かな?」と目を輝かせるのは子どもたちだけではありません。
  当番の保育士が選ぶ本や語り口調、子どもとのやりとりは、みんな違っていてお互いの刺激になります。中には自分の気に入った場面で一人大笑いしてしまう保育士もいます。
  『マコチン』(灰谷 健次郎/著、長 新太/画、あかね書房)のお話の中でヨザエモンという犬がチューインガムをヨヨヨヨーンの所では、おかしくて先に進めず、笑い出した保育士につられて子どもたちもクスクス笑いだし、ついには笑いのうずになってしまいます。

 毎日、子どもたちといっしょに絵本を楽しむ幸せをもらいながら、今日も絵本の部屋でワクワクしているのでした。

絵本フォーラム54号(2007年09.10)より

前へ次へ