私の絵本体験記
「絵本フォーラム」55号(2007年11.10)より
「 絵本がわが家にやって来た日 」
隅倉 智子 さん( 福岡県福岡市 )

 長女が3歳半の時、長男が生まれ、翌年は次男が生まれました。ご想像の通り家の中はメチャクチャで、やってもやっても家事が終わらず、読み聞かせどころか絵本の存在さえ忘れかけていました。

 でも好奇心旺盛で、多感な年頃に、手をかけてあげられない、遊んであげられないもどかしさが、次第に焦りとなり、先行きに不安を感じていました。ですから『ほるぷこども図書館』を知った時、「これだ!」と即決したのです。

 2コース同時に注文し、一度に 90冊もの絵本がどっとわが家に届きました。その量にも驚きましたが、さらに子どもたちのむさぼるように絵本を物色する姿にも驚かされました。私は絶対選ばない不気味な絵や、図鑑っぽいものまで、手当たりしだい。2?3日は「読んで」「読んで」の嵐です。私も家事そっちのけで読みふけりました。当時1歳の次男は、絵本の山をヨチヨチ登り、パパは言葉を無くしていました。

 あの日以来、子どもたちと私の生活に、絵本はなくてはならないものになつています。懸命に続けた読み聞かせが、子どもの心の成長にどうかかわったかはわかりません。ただ私自身は絵本を通して、子どもたちと豊かな時間や感動を共有でき、幸せだったと思います。

 実はこの9月に三男が誕生しました。まだ当分、絵本に助けてもらう、幸せな日は続きそうです。

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