おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第57号(2008.03.10)








『かえるをのんだととさん』 
日野十成 / 再話 斎藤隆夫 / 絵
福音館書店

お腹が痛い「ととさん」は、和尚さまの助言どおり、お腹の中の虫を退治するためにかえるを飲み込む。すると、かえるがお腹の中を歩くので、また、和尚さまに相談し、へびを飲み込む。へびを退治するためにきじを、きじを捕らえるために猟師を、猟師を取り除くために鬼を飲み込み、最後は和尚さまが「ととさん」のお腹の中に豆をまいて鬼を退治する。繰り返しが楽しい昔話絵本。 (税込価格840円) 


『かわいいサルマ』 
ニキ・ダリー / 作 さくまゆみこ / 訳
  光村教育図書

 おつかいに行ったサルマは、大好きなおばあちゃんと約束したことも忘れて、知らない犬に荷物を持ってもらったために、犬に服をとられてしまう。犬はサルマに化けて目の悪いおばあちゃんの元へ戻り、おばあちゃんを食べようとするが、おじいちゃんに助けを求めたサルマたちが家に戻って、仮面でおどかして犬を追い出す。南アフリカの人々の服装や町での暮らしの様子がユーモラスに描かれている。 (税込価格1575円)










『オオカミ』 
エミリー・グラヴェット / 作 ゆづきかやこ / 訳 小峰書店

 ウサギが図書館に行って『オオカミ』という本を借りて読み始めると、本の中からオオカミが飛び出し、ウサギの背後に迫る。読者は、ウサギがオオカミに食べられてしまったと思うが、次のページには、「やさしい読者」のための結末として、ベジタリアンのオオカミとウサギが仲良く暮らしたことが書かれている。ところが、その次のページには、図書館からウサギに本の返却を督促する手紙が・・・。痛快なメタ絵本。(税込価格2415円)


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