私の絵本体験記
「絵本フォーラム」57号(2008年03.10)より
「 愛する子どもたちと過ごす穏やかな時間 」
清 みおさん(大阪府吹田市)

  「本」は私にとって生きていく上でなくてはならない大切な友です……。本は人生を豊かにし、様々な事柄を教え、日常では体験できないような世界へいざなってくれます。大きな喜びを与えてくれ、時には悲しみを分かち合い、人生を彩り深いものにしてくれます。

 このような本との深い関わりを子どもたちにも経験してもらいたい、と長男(6歳)と次男(4歳)が産まれた時から絵本の読み聞かせを続けています。子どもたちが成長する過程で絵本は大切な役目を果たしてくれました。

 風邪を引き、病院での待ち時間…退屈している子どもたちと名前を呼ばれるまでずっと絵本を読み続けました。電車での長旅に…雨の日に…遊ぶお友達がいない日にも…絵本を読みました。かわいがってもらっていたおじさんが亡くなった時も、幼稚園に行けなくなった時も…絵本を一緒に読みました。

 そして、こうして平穏な日々が戻ってきた時に…子どもたちはむさぼるように一人で絵本を読むようになっていました。図書館から何冊も絵本を借りてきては玄関先に座り込んで本を開いています。

 もちろん、夜は「絵本、読んでね」と本を抱えて私の元にやってきます。絵本を読んでいると日々の疲れをふと忘れ、愛する子どもたちと穏やかな時間に身をゆだね、その世界を堪能することの幸せを感じます。子どもたちと過ごすかけがえのない時間を絵本で深めることができたことは私にとって何ものにも替え難い宝物です。

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