リレー

「子育てって楽しいね」につながってくれることを願いながら
( 兵庫・播磨町北部子育て支援センター・竹内 智佐代 )


 子育て支援センターには、毎日たくさんの親子が来られます。
 お昼前の少しの時間ですが、みんな集まって、手遊びを入れた絵本の読み聞かせの時間を設けています。初めて訪れた子どもの中には、動き回ることのほうが良くて、なかなか落ち着いて絵本に興味を示さない子どももいますが、そのうち一番前に座って真剣な顔でじっと絵本に見入っている姿を見ると、うれしくなります。
  『こどものとも012』は毎月新しく届くと、読み聞かせの時間に読みます。すると、帰るときには必ず誰かが「貸して」と言って借りて帰ります。『いない いない ばあ』(松谷みよ子/作、瀬川康男/絵、童心社)は、昭和 42年に作られたのですが、今でも0歳の子どもたちのお気に入りです。
  絵本をじっと見て、次のページをわくわくしながら待っているのがわかります。お母さんと顔を見合わせて「ばあ」と口を開けてうれしそうに笑っている姿はホントに微笑ましいです。トイレになかなか行けなかったこどもが『トイレとんとん』(間所ひさこ/作)を読んだ後で、「おしっこ行く」と支援センターのトイレに行ってお母さんも私達もビックリしたこともありました。

 「自分のお気に入りの絵本を『読んで』って持ってくるんですよ」「家で絵本の読み聞かせをする時間は、私もホッとできる時間なんです」と言うお母さんの話を聞くと、つくづく絵本って大人にも子どもにもすばらしいものなんだなあと感じます。

 絵本大好きの親子が増え、“子育てって楽しいね”につながってくれることを願いながら、これからも支援センターの絵本タイムを続けていきたいと思います。

絵本フォーラム61号(2008年11.10)より

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