リレー

感じる力
(兵庫・養父市立大屋公民館 派遣社会教育主事・西垣 將輝 )


 私が初めて読み聞かせに接したのが、公民館勤務となった今年の 4 月でした。養父市立大屋公民館では、以前より登録ボランティアのみなさんに、小学校や幼児センター、福祉施設などで読み聞かせ活動を行ってもらっています。以前から読み聞かせというものの存在は知っていたものの実際に体験したことはなく、最初は戸惑いながらボランティアのみなさんと一緒に活動することになりました。

 初めて小学校での読み聞かせを見学に行ったときの衝撃は今でも忘れられません。ボランティアの方が席に着くと、それまで走り回っていた子どもたちが我先にと集まってくる。読み聞かせが始まると目をキラキラさせて聞いています。絵本と一緒にハラハラしたり喜ぶ表情。読み聞かせのもつ力と、それを素直に受け止めることの出来る子どもたちの感受性に触れた瞬間でした。

 9 月には森ゆり子先生に遠く養父市大屋町まで足を運んでいただき、勉強させていただく機会を持つことも出来ました。森先生の穏やかな語り口で熱く語られる言葉に触発され、ボランティアの方が「初心に戻って楽しんでやろう」と言われていたのが印象的でしたし、私自身も森先生に多くの疑問、質問に対するヒントをいただきました。

 最近、子どもたちが関係する多くの事件が新聞にあふれていますが、読み聞かせなどを通して、「人の心を感じる力」を育てることが何かを大きく変える気がしています。

絵本フォーラム63号(2009年03.10)より

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