私の絵本体験記
「絵本フォーラム」65号(2009年07.10)より
「息子の読み聞かせはなんとも心地よくて 」
加藤 美帆さん(京都府京都市)

 「今日はふたつ?みっつ?」と本棚の前で指を折りながら聞いてくる息子。

 寝るときに読む絵本の数です。 5冊、6冊読んだり「もう一回もう一回」とせがんだりする日々からようやく落ち着いてきました。「うーん。今日はどれにしようかな……」なんていいながら選び、嬉しそうにお布団の中に持っていきます。読み終わったら「さあ、じゃ!寝よか」って。睡眠促進剤にもなっているようです。

 3歳になったころ息子がお手洗いから出てきて、続いて私が入ろうとした時「ママ、いますれちがったよ。すれちがうー!がたんごとん」。絵本に出てきた「電車と機関車がすれちがう」というフレーズ、それを体感する瞬間だったのでしょう。また道を渡るとき、車がきて危ないからと注意したら「ごろはちみたいになっちゃう?こわいね。痛いよね?」って。日常が空想の世界との狭間にあって絵本からはたくさんのことを吸収しているようです。

 子どもたちの反応が本当に楽しくて、一緒に読むことは 1日の中でかけがえのない時間となっています。1歳3ヵ月の次男も最近ではお兄ちゃんの真似っ子なのかお気に入りの絵本を2冊持ちお布団に入ってくるようになりました。静かな夜、綺麗な美しい日本語と優しい絵は何よりも子どもたちを楽しませてくれます。時には弟に「読んであげるね」と兄貴っぷりも発揮します。ひらがなはまだ読めないので暗記+独創的ですが。息子のかわいい読み聞かせはなんとも心地よく私が眠ってしまいそうです。(かとう・みほ)

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