「絵本フォーラム」第69号(2010.03.10) |
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冬の夕方、「わたし」は窓の外を見ながらお母さんが帰ってくるのを待っています。窓がくもっているので、わたしは指で月の形をなぞり、それからいろいろな線を描いて外の見える部分を大きくしました。すると、そこにお母さんの顔が見え、帰ってきたお母さんがだっこしてくれました。透明感のある赤、青、緑を使った画面が美しく、少女がお母さんを愛する気持ちが絵から伝わってきます。 |
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写真家であり、冒険家である著者が雪で覆われている冬の富士山に登った体験を語った写真絵本。真っ白な氷の上をガシッ、ガシッと上る様子、テントの中でごはんを食べる様子、青木が原や滝、氷穴、風穴や夜空の星の様子、雲の上の日の出の様子、富士山の雪で覆われた斜面、頂上から下を見た様子、夏の富士山などが美しい写真と臨場感のある文章で表現されています。 |
太陽が目をさますと、鳥や山羊やカエルや牝牛やヤモリや馬や男の子がそれぞれの歩き方で庭にやってきて「おはよう」と言います。すると、一本の草も芽を出して「おはよう」と言い、みんなが草のところに集まります。繰り返しと結末が楽しい絵本。顔が大きく、にじみをうまくいかして描かれた登場人物の絵がユニークで、どの生き物も存在感を持って生きているという実感を得ることができます。 |