おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第71号(2010.07.10)








『テスの木』
  ジェス・M.ブロウヤー / 文 ピーター H.レイノルズ / 絵 なかがわちひろ / 訳
  主婦の友社

 テスは庭にある木が大好きです。ところが、嵐で木が倒れそうになり、切らなくてはならなくなりました。テスは切り株を見て泣いてばかりいましたが、ある日、木のお葬式をすることを思いつき、お葬式の案内状を書きました。すると、何十年も前にその木にハートを描いたカップルやブランコで遊んだおばあさんなどがお葬式に出席してくれました。水彩の絵がテスの悲しみが和らいでいく様子を豊かに表現しています。


『おだんごちゃん』
おかべりか / 作・絵 童心社

 おだんごちゃんは、頭のてっぺんにあるおだんごの髪をとても大切に思っています。ところが、ある日、頭の上のおだんごがころころ転がって、公園の池のカモの頭の上に乗ったり、パレードに参加したり、犬や骨董品屋のパンダの置物の上に乗ったりします。そして、河原にやってきて、「ここにきたかったの」と言います。ナンセンスな楽しさが作品全体から伝わってくる絵本です。









『ここにも、こけが・・・』
越智典子 / 文 伊沢正名 / 写真 福音館書店

 4億2千万年前から存在するというこけについて写真と図とわかりやすい文章で紹介した写真科学絵本。道端に生えているこけ、森の中のこけ、岩場のこけ、こけの胞子、花、氷づけになったこけなど、さまざまな種類のこけが美しい写真で紹介されます。多様なこけの色や形や生態に自然の奥深さを感じさせられます。


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