絵本はあるのに子どもはいなくて……。箱にしまわれた絵本を手放すべきか悩んでいた頃、長年の望みがかなえられて力強いいのちが宿りました。
私たちを待っていてくれたのは『うさこちゃん』や『こぐまちゃん』、『どろんこハリー』に『あおくんときいろちゃん』『かいじゅうたちのいるところ』『ちいさいおうち』『もりのなか』『きかんしゃやえもん』などです。その後第二子を授かり、幼い子ども達に挟まれて絵本を読む幸せは何にも代えがたいひとときとなりました。子育てを支えてくれた絵本たちは、慌ただしく不安な気持ちにも寄り添うようにいろんな世界を繰り広げては楽しませ、親も子も一緒に勇気づけてくれたのでした。
『もこ もこもこ』もお気に入りでした。何度も繰り返して読んでいたある日のことです。まん中の《ぱちん!》のページがびりっと破られているではありませんか!! びっくりしてついお小言です。いつものやんちゃかな。いや、そういえば絵本を破った事はなかったよね。もしかして感動を心のままに表現したのではないかしらと感じました。ひとりでページをめくりながら、この子は何を感じ考えていたのだろう、ことばにできない思いがそうさせたのかな……と。絵本の力ってすご〜い!!
子どもに絵本を読むということは、思わぬ発見やよろこびを子どもにも大人にも与えてくれるようです。ちょっぴり子どもの心に触れたような不思議な瞬間でした。
子どもの成長は早いものです。思春期にさしかかり、この頃何だか雲行きが怪しくなりそうな予感がしますが、見守る子育てになってもいつまでも絵本は大切なお守りです。(ゆだて・ようこ)
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