おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第88号(2013.05.10)








『さわるめいろ』
村山純子/著 小学館 

 ピンクの四角、紫の格子、黄緑や青の六角、赤の円、緑の波型など、色鮮やかな幾何学模様の連なりに描かれている浮き上がっている部分を指でたどると、迷路になっています。目の見えない子どもも見える子どもも一緒に遊べる絵本。目の見える子どもは目をつぶって迷路を楽しむこともできます。この「てんじつきさわるえほん」シリーズは『こぐまちゃんとどうぶつえん』(こぐま社)、『ノンタンじどうしゃぶっぶ』(偕成社)と同時に3冊出版されました。


『もしも、ぼくがトラになったら』
ディーター・マイヤー/文 フランツィスカ・ブルクハルト/絵 那須田淳/訳 光村教育図書

 ネズミのオスカーが食べ物をとりに外へ出てみたら、タカやキツネやネコに追いかけられてしまいました。そこで、根っこの魔法使いのブルツルさまに「トラ」に変身させてもらいました。ところが、トラになったら、これまでおいしいと思っていたものが食べられません。そこで、姿は元に戻してもらい、トラの声だけ残してもらいました。小さな点で描かれた背景と、版画的な絵の動物の描写が調和して美しい画面を作っています。









『ぼくだよぼくだよ』 
きくちちき/作 理論社

 ヒョウが「ぼくのつめのほうがするどいよ」というと、ライオンが「ぼくのきんにくのほうがつよいよ」と言います。それから2頭は、木登りとジャンプで張り合い、もぐったヒョウを捕まえるためにライオンは木に変身し、ライオンが太陽に、ヒョウが雲に変身して張り合うことをやめ、一緒にいることを楽しみます。抽象的な絵がライオンとヒョウの自己主張しながらも友だちとつながりたいと思っている気持ちを巧みに表現しています。


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