絵本のちから 過本の可能性

「絵本フォーラム」89号・2013.07.10

『絵本講師・養成講座』を受講して
—— 新しい自分に一歩前進できたかな  ——

燻R 紀子(東京会場9期生)

 

 この講座を受講したきっかけは、読みきかせボランティアの仲間からの誘いでした。
 「とにかくいいの。受講してみて! 中川先生の話に私、大泣きしちゃったもの。いろんな人のいいお話が聞けるし、まぁ、手書きのレポート提出は大変だったけど、ほんとに良かったから」と。読みきかせも上手になれるのかなぁーなんて、期待をしながら受講しました。
 しかし、想像していた講座とは違い、読みきかせが上手になる講座でも、何かを教えてくれるという講座でもなく、常に「自分から学ぶ」ということを体験できた、今までに経験したことのない刺激的な講座でした。お蔭で学生時代に戻ったように、絵本だけでなくいろんな本や新聞などから新しい発見をたくさんもらいました。図書館に通ったり、仲間と意見の交換をしたり、とずいぶん脳トレになりました(笑)。
 読みきかせの技術ではなく、読み手としての人生観、どう生きていくのかを問うこと、人間性、感性を磨くことの大切さを学ぶことができた気がします。
 また、受講料、交通費も(静岡から通ったので)けっこうなものでした。
 でも、還暦を前にして最近思うんです。
 若い時と違って、体型も崩れしわも増えて、どう美容、おしゃれにお金を注ぎ込んでもたいした見映えはしない!!(笑)。やっぱり、外見ではなく、内面の心のおしゃれに、心を磨き育てることに投資しよう!!と。

                  *   *   


 ボランティア活動や、こうした講座を受講することは、自分磨きと新しい人との出会いや縁、そして、社会との繋がりを得ることができます。
 一年前、たくさんの素敵な講師の先生方のお話を聞き(特に私にとっては、大好きな『ももたろう』の松居先生を、一番前の席でしっかりお話を聞けたのが最高)。
 また、グループワークでの話し合いは、回を重ねるごとに仲間同志の絆が強まり、(同じグループには息子と同じ年のイケメンが班長になり、毎回ルンルン気分)。
 頭痛の種であるレポート作成を通して、自分の学びを振り返りまとめることで達成感を味わうこともできたように思います。
 私自身は、子どもの頃に両親に絵本を読んでもらったという記憶もなく、ただ海辺の田舎町で自然に囲まれ、たくさんの友達といっぱい遊んだ思い出だけ……。
 そんな私が七人の子どもを授かり、絵本と出会い絵本を通して子育てすることで子育てが楽しくなった。「絵本をどうして読むの?」
それは、「楽しいから!!」である。

                  *   *   *

 子育てで一番大切なことは、「愛されているんだ」「自分は大切にされているんだ」という思いを子ども達がもてるように、愛を伝えていくこと。それには絵本は最高!
 子育ては親育て、心育てだと実感しています。
 三つのC、チャンス、チャレンジ、チェンジ。与えられたチャンス(機会)にチャレンジ(挑戦)することで、チェンジ(変化)できる。この講座で、新しい自分に、一歩前進できたかなぁと……。感謝です!!
                                 (たかやま・のりこ)


前へ ★ 次へ