平成18年4月15日(土)10時より、芦屋市市民センター会議室301号にて第1回「はばたきの会」交流会が行われました。
当日は、朝からあいにくの雨模様でしたが、会場には第1期修了生14名、第2期修了生26名が集いました。

まず、森理事長より「楽しくて有意義な会になるよう」とのお言葉をいただき開会しました。そして第1期修了生の野口明子さんより絵本講師の会(賛助会員)規約(案)の読み合わせ及び説明があり、参加者全員の承認を得ました。

交流会  次に第1期修了生の田中八潮さんより絵本講師としての活動報告がありました。
主に、田中さんが実践されている広報活動の報告で、その内容は、市の講師登録システムの活用や、市、町の子育て支援センターへの訪問。また、幼稚園や保育所に名刺やパンフレット、手作りの手紙を送付するなどのPR活動の仕方やその際に気をつけること(持ち物や服装)さらに依頼がきた場合の注意点(託児の有無の確認や写真撮影の許可など)具体的なことばかりで、絵本講師として準備中の人はもちろん、現在、講師として活躍している人にとっても大変参考になることばかりでした。
田中さんによると、広報活動が即、講演依頼につながることは少ないものの、地道な活動を続けることによって、絵本講師の道が開けていくと思う、また広報活動を通してその手応えを確実に感じる、とのことでした。

田中さんからの報告終了後、会員の自己紹介が行われました。名前と出身地のあとに各自、今、置かれている絵本講師としての現状や、これから、どういった形で絵本講師として一年間学んだことを、活かしていこうかと模索中であること。専業主婦で、何をとっかかりにして活動を始めればよいのか、という様な悩み。また、教育や保育の現場で仕事をされている方々の子どもと絵本(読書)とのかかわり方の現状報告など、ただの“自己紹介”にとどまらず、それぞれが、共感できる悩みにうなずいたり、力強い報告に背中をおされたりしました。

 お昼からは、場所を芦屋市民センター会議室218号に移しました。
昼食をとったあと、午後のプログラムまで、先の自己紹介を手がかりに、それぞれが楽しく話しの花を咲かせました。2期修了生の方々は、本日、名刺を手にしたばかりとあり、さながら名刺交換会といった光景も見られました。

昼食と歓談後、第1期修了生井下陽子さんのミニ絵本講座がありました。
本題に入る前の、講座を開く際のワンポイントアドバイス(対象者によって原稿を書き直すことやレジュメの活用法など)からはじまり、実際の講座では、絵本の読み聞かせを織り交ぜながら、優しい口調の中にもメディア汚染による子どもの育ちへの影響、また、テレビゲームによる嗜癖性といった現代社会において子どもたちが晒されている危機についての言及もあり、とても心に響く講座となりました。

 5分間の休憩をはさみ、第1期修了生の活動報告に移りました。
最初に内田祐子さんから、自らのブログ「絵本のある日々」を通して、絵本の紹介、絵本講座の紹介などを行っているとの報告がありました。その反響は大きなもので、2ヶ月で4300件ほどのアクセスがあり、内田さんご自身も驚いているそうです。子育て真っ最中のお母さんからのアクセスが多く、そのお母さん方の悩みや質問に答えたり、また、自らの子育てのこぼれ話や興味のある雑貨や子どものお弁当を披露したりと、絵本だけにとどまらない多彩なブログです。

内田さん自身も幼い子どもとの生活の中で、絵本講師として一歩も踏み出せずそのジレンマとの戦いがあったそうですが、ブログを通して自らが情報発信元となることで、様々な出会いを経験し、今では大変充実した日々をおくっているそうです。
しかし、一方では自分の情報が不特定多数の目に触れるということもあり、常に絵本講師としての責任をもって挑んでいるとのことでした。

 次に田部百合子さんより、地元兵庫県加古郡稲美町でのボランティア活動を通じての絵本講師としての活動報告がありました。
田部さんは公立幼稚園5ヶ所での読み聞かせのほか、市の乳児4ヶ月検診でのブックスタート活動に参加され、地域の孫世代の育成に力を注いでおられます。
戦中、戦後を生き抜いてきたお話や、高度経済成長期において人間が失ってきたものの大きさや、その時代を担ってきた一員としての責任を感じての現在の子育て支援への参加など話題は多岐にわたりました。
最後に、最近出会った、すばらしい詩、西条八十の「書物」を朗読してくださいました。

交流会  今回の交流会に参加し、活動報告、ミニ講座、自己紹介、または雑談で交わした会話の中で、会員の皆さんが、テレビやビデオなどによる今の子育ての危険性や、絵本による親子のコミュニケーションの大切に対し、その表現方法はさまざまであれ伝えたい思いの大きさや強さは、皆同じなのだということを肌で感じることができました。
飛び方や羽の広げ方はさまざまです。飛び立つための準備段階の方も多くいらっしゃいます。でもみんなで同じ方向にはばたくことで、きっと大きな風をおこすことが出来ると確信しました。
最後に藤井代表より「子どもという時期は大人になるための準備や訓練期間ではない。子どもが子どもらしく生きる時間を保障できる社会を作っていくのが、私たち大人の役目である」というお話をいただき閉会しました。
(報告 第1期修了生 大長咲子)


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