第4回

交流会  平成18年度、第4回「はばたきの会」交流会が1月27日、芦屋市民センター会議室にて開催されました。

 まず始めに森理事長より「はばたきの会」会報の刊行という嬉しいニュースと、岸本裕史先生の訃報という悲しい報告をいただきました。
そして井下副会長には、頻発する悲しい事件のニュースから絵本講座の必要性を改めて痛感し、飛び込みで2件、講座依頼に行かれたという頼もしいお話と、『「絵本で子育て」センターの絵本講師』という名称を使う際には、必ずセンターへ一言話を通すようにという、個別の活動での注意点をお話いただきました。

交流会 さて次は、かねてよりリクエストの多かったという大西勝さん(芦屋2期生)のミニ絵本講座です。大西さんのハーモニカ伴奏と皆の歌声「早春賦」から始まったミニ絵本講座は、序盤からもうすっかり大西ワールド。紹介していただいた「いない いない ばあ」と「おじいちゃんわすれないよ」でも、色使いに関してや絵の読み取り方など着眼点も素晴らしく、特に「いない いない ばあ」では、読んでもらうことの大切さと絵を読む楽しさというものを改めて痛感させられるお話でした。
最後の「ふるさと」の合唱とハーモニカの頃には会場に一体感も漂い、対象とされる高齢者(65歳〜75歳)でなくとも、しっかりと心に響く講座であったと実感しました。その後、大西さんの地元(山陰ケーブルテレビ)で放映されたご活躍のビデオを拝見しました。講座の要所要所で発せられるセンスの光るユーモアと、お人柄の伝わる穏やかな声と日本語に、また大西ファンが増えたことは確実と思われます。また高齢者向けの講座を思案中の方々には特に、参考になることの多いミニ講座でした。

時間が押してしまったこともあり、15分の休憩の後、昼食を食べながらの近況報告会となりました。いつもながら兵庫・大阪にとどまらず、鳥取、山口、広島、福岡、そして茨城県…遠方からの出席者の方々の熱意へ感動し、また参加している絵本講師それぞれが着実にはばたきを広げていることに心を強くした報告会でした。

交流会 10分の休憩の後、午後の部、「絵本で子育て」センター九州理事の松本直美さんによる『ほるぷこども図書館』の説明がありました。
『ほるぷこども図書館』とは子どもを育てるための基本図書であること、出版社34社の本が入っており40年近く続いた歴史あるものであること、そして8コースそれぞれの特徴などから教わりました。現在の子育て環境や、購入された方々の様々なエピソードなどを交えながら、とても的確にわかりやすく説明していただき、お話を聞くうちに「早いうちに全セットの購入を」と思ったのは私だけではなかったと思います。
知性、機転、そして経験に裏打ちされたそのお話に、聞いている側もぐんぐん引き込まれ、『ほるぷこども図書館』の理解を深めたのはもちろんのこと、それ以上に「絵本講師とはかくいうものか」と、講師として成長段階の私達の心に素晴らしい指針を示していただくかのような、得るものの本当に多いお話でした。

交流会 最後に藤井代表より、リクエスト多数のセンターロゴ入りハガキ、便箋、封筒が印刷準備段階にあること、サンプルを拝見し注文数により作成が決まるという連絡を受けました。少しの静寂の後、藤井代表のマイクより聞きなれない声が…なんと読み聞かせ音声の出る「ももたろう」の絵本でした。ジャンク中のジャンク本であることは会場にいる誰もが納得することですが、いかんせん世間ではこの手の本が圧倒的に売れているとのこと、子育て中の親子を惑わす商品の多さに愁を感じるとともに、「人間が壊れていく速度を増していく社会である」という代表の言葉に共感し、身が引き締まる思いがしました。「その社会を変えていく使命を私達は担っている」続く代表の言葉に、改めて志を強くしたのは皆同じだったと思います。

 羽の形、色、羽ばたき方は本当に様々であると実感し、しかしながら目指す大空は皆同じであること、そして着実に風が巻き起こりつつあることに、なんとも嬉しくまた心を強くした1日でした。

(報告 第2期芦屋修了生 中村 利奈)


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