<21年度「絵本講師の会」(賛助会員)交流会>
東京支部結成に向けて、活発な意見交換

 5 月に交流会のお知らせがきてから1ヶ月半、楽しみにしていた 09 年度「絵本講師の会」 (賛助会員) 交流会・東京会場が 7 月 5 日 ( 日 ) 、上野駅公園口の東京文化会館にて行われました。
 交流会には森ゆり子理事長、藤井勇市代表、大長咲子副会長、そして芦屋会場から参加の方も含め 23 名の修了生が集いました。

 岡部雅子さん ( 芦屋 2 期 ) の司会で交流会はスタートしました。
 はじめに、森理事長の「楽しく有意義な一日となりますように」とお言葉をいただき、現在修了生 700 名、賛助会員 242 名であるということ。また、第 6 期福岡会場の養成講座が残念ながら開催できなかったとの報告がありました。芦屋会場では応募多数で抽選にて定員以上の開催となったこと、東京も順調に講座が始まっているとのお話で、会場は明るく和やかな雰囲気となりました。

 そして、待望の NPO 法人 「絵本子育て」センター出版『きつねやぶのまんけはん』 (中川正文/文・伊藤秀男/絵) と、できたてホヤホヤの『絵本を読んであげましょう』 ( 森ゆり子講演録 ) の紹介と以下のお話がありました。

 「絵本で子育て」センター絵本出版第1弾『きつねやぶのまんけはん』は、皆さんご周知のとおり講座開講 5 周年を記念した初めての絵本の出版です。
中川先生は本年 09 年米寿をお迎えになり、先生の記念の作品ともなります。また絵の伊藤先生とは、名作『じぞうぼん』 (福音館書店) から 27 年ぶりのコンビを組まれ、やまと言葉とやさしい絵の素敵な1冊が誕生しました。たくさんの方に広めていきましょう、と温かく力強く語られました。
『絵本を読んであげましょう』は、「絵本の力を信じて、今後の活動の参考にお役に立ててくだされば・・・」とご自身の出版本のためか、森理事長のお人柄さながら控えめな紹介でしたが、生まれたての 2 冊の本は机上でキラキラと輝いていました。

 続いて芦屋から来てくださった大長咲子副会長の、「初めての東京会場で皆さんと交流を深めて帰りたいです。はばたきの輪を広げていきましょう!」との素敵なご挨拶と芦屋での講師の皆さんの活動実態のご紹介と芦屋の 4 支部の年 6〜8 回の講座と例会の活発な活動のご報告がありました。

  その後、参加者の自己紹介と近況報告に移り、自身の絵本講師としての今の環境と気持ち、活動内容を話していき、同じ気持ちや経験、心配事・悩みをもつ仲間に励まされたり、学んだりの時間となりました。

 午前を終えたところで第5期修了生の私にとって、受講時以来の初めての集まりは、すっかり主婦としての日常生活に舞い戻っていた私を、一瞬にして絵本講師の気持にさせてくれました。

 午後は、稲垣勇一さん (東京3期) の『きつねやぶのまんけはん』を読むと題して、お話 (ミニ絵本講座) がありました。
 まず表紙への想い、見入ってしまった伊藤先生の絵は、空気のにおい、風のおと、川のせせらぎ、草地のぼろ道と境界の物語を活写している、と語られました。
 題名は中川先生が徹底的にこだわったと感じられる言葉の意味と魅力はどこにあるのか。
 また、溢れでる想いを素敵な上田言葉(方言)にのせ『きつねやぶのまんけはん』の魅力を、私たちに、そして絵本講師の心に語りかけてくださいました。
 次に参加者全員で、森理事長と大長副会長を囲む2組にわけての情報交換です。「養成講座」受講時のグループワークを思い出す手際のよい息の合った机の移動に、何だか懐かしい気持ちになりました。

 午前の自己紹介ででたお話を、更に深めるという時間でした。私は大長副会長のグループに参加しました。今日までに絵本講座を開いた方のお話や、初の講座が 10 日後に迫っている方のお話、これから開く講座や活動のお話に活発な意見交換が行われました。
 また、芦屋の皆さんのレジュメを参考にと見せていただいたり、絵本講座を個人講師としてではなく支部で複数の講師で開くお話を聴かせていただいたり、興味深いお話に全員が興味津々の面持ちで聴き入りました。
 現在、芦屋では4支部があり、そのなかで勉強会や情報交換を含む例会活動、また他の講師の方の講座のお手伝いや、グループで講座を1テーマずつにわけリレー方式で運営するお話と、目からうろこ、本当に勉強になる報告をしてもらい、これから開催する方の背中を押してくれる意見交換会でした。活発な芦屋の支部活動に続き、福岡でも支部が立ち上がっているとのこと、東京支部設立も近くありそうです。

 最後に藤井代表から、事務局の連絡として、「お話会・読み聞かせ団体等による著作物の利用について」の資料とガイドラインの説明もありました。
 私達の学んできた絵本講座は、著作権料や著作者人格権には該当せず、問題点はないとのことです。
 昨今話題になる早期教育についても「一番大切なことは、少なくとも学齢に達するまでは、合わない知育は無理してしなくてもよいのでは」とのお話をいただき、終了となりました。
 子どもたちを思う「絵本講師」としての想い、小さな1歩、歩幅はそれぞれ違っていても、伝えていくことを忘れないようにしようと家路につきました。

 「明日地球が滅びても私はりんごの木を植える」  中川正文


報告・中嶋瑛子 (東京5期)



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