<交流会報告(2010年4月11日 芦屋)午前の部>
芦屋川の桜花満開・ 6期生を迎え10年度交流会

 4月11日(日)芦屋市民センター会議室に於いて、今年度第1回「絵本講師の会」(賛助会員)交流会が開かれました。会員間の交流をより深めるためということで、居住地を書いた付箋紙を名札に貼って会場に入ると、更に増えた座席と近況報告のページ数。驚きと共に、新たに第6期生をお迎えしたことへの実感がひしひしと沸いてきました。受付後方には、このたび発行された講演録に黙々とサインをされる藤井代表のお姿もありました。

 池田加寿子さん(芦屋2期)の司会で和やかに開会し、森理事長の挨拶、そして愛知県蒲郡市から参加された小笠原みちよさん(東京3期)が紹介されました。理事長が会場準備のため朝6時に自宅を出られた時には、まだ雨が降っていたけれど、会場に着いたら上がってきたとのこと。天気予報では“花散らしの雨”とのことでしたので、芦屋川の桜が残っている間に皆様とお目にかかれたことを嬉しく思いました。

 井下陽子副会長(芦屋1期)の挨拶では、講座のお願いに行く先々で、時には即座に断られることがありながらも活動の場を求めてきました、というお話しがありました。諦めず地道に続けていくことの大切さを改めて思いました。

 続いて舛谷裕子副会長(芦屋3期)による会則説明と今年度の幹事14名の紹介と承認。支部が(南大阪、西宮、池田、東京、福岡、関門)6つになったとの報告もありました。

 大長咲子副会長(芦屋1期)より「講師活動の第一歩」“営業活動”=新規開拓 に関して、ご自身の経験を交えながらのお話しと、講座の企画、開催に関する基本事項の説明がありました。子育て支援は今どこでも求められている。講座を受け入れて頂けるきっかけの一つとして、ニーズの他に NPO 法人という実績、安心、信頼があった。バックに事務局があることを信じて、と話されました。自治体に働きかける場合は、新年度早々ではなく、前年度10月頃から次年度の企画検討が始まる事が多く、その頃に相談すると良い。普段から名刺、ホームページの表紙を印刷したもの、ミニ冊子、センター発行の出版物、「絵本フォーラム」を常に持っておられるそうです。入手希望や、独自のチラシを作りたい等、ぜひ事務局に相談を!と心強い助言も頂きました。

 梅田俊作先生の原画販売(午前中に入札し、午後に抽選)、夏休み企画のキャンプ、藤井代表の講演録の販売、サポート会員募集の案内があり、販売等の時間として5分休憩を取った後“一人1分以内”の自己紹介が行われました。「時間を守るということは、絵本講師に必要なスキルの一つと思われます。このあと藤井代表のお話を、是非聞きたい!という方はしっかり守って頂いて、もういいわ〜!と思われる方は5分でも10分でも、どうぞ長くお話しください」との司会の言葉に和やかな笑いが起こりました。

 初めは時間を気にして恐る恐るの1分(チン!の合図)、次第にそれぞれの持ち味が生きた楽しい自己紹介を伺うことができました。(一部を下記にご紹介します)

 初めて名刺を持つ仕事をした。子どもに携わる仕事がしたい。虐待をなくすため、まずは親に働きかけたい。人が集まれる場所を作った(絵本カフェ、たまり場など)。教育委員会へ履歴書を送った。子どもに「絵本を読むだけ?」と聞かれて答えに詰まった。支部に参加したい、作りたい。児童家庭支援センターに勤務しながら活動している。近々始まる姫路城改修工事の5年間で、どう歩んでいけるか。講師の急な欠員時、事務局の仲介で、他の講師から応援を受けた。小学校や幼稚園で図書ボランティアをしている。絵本講師の他にも本に関する活動を幅広く行っている。自治体の市民企画講座に応募した。

 午前の部、最後は「絵本講師としての考え方」と題して、藤井代表のお話がありました。

 絵本講師とは、ただ絵本の読み聞かせをしに行くだけではない、とされた上で、心構えをいくつか上げられました。時間を守ること。先に自分から名乗り、次に相手の名前を聞くこと。絵本は自分で用意し、必ず下読みをすること。話す内容を点検すること。相手の立場、境遇に立ちに寄り添うことが、誠実な態度につながる。人前で話す緊張は誰にでもあるので、場数を踏むこと。例えたどたどしくても伝えようとする気持ちは必ず伝わるので、演じる必要はない。そして、大人は常に子どもに相手の身になって考えなさいと言い聞かせるけれど、実際にはできない。そのことを自覚しながらも、<なろう>と努力することが重要であると話されました。

 また、少子化問題、ゆとり教育見直し後のこと、「ヘレンケラー症候群」のこと、ボランティアのことにも触れられました。「子どもを生みたくない社会ができている」とのお話しに深く考えさせられました。
 この度、岩波書店国語辞典( 2009 年 11 月刊行)に初めて「読み聞かせ」という言葉が加わり、これから定着していくだろうとのお話しもありました。

 最後に、事務局で支部「絵がお」のメンバーや幹事の方々が編集し、制作してくださった講演録の出版秘話を話され、午前の部は終了しました。
 皆で協力し合って午後の部の準備をしながらの歓談中に、梅田俊作先生、佳子先生が入場されて、会場に大きな拍手が沸き起こりました。私は交流会のみの参加でしたので、今年最後の桜を見ようと訪れた人々の間をぬって、名残を惜しみながら会場を後にしました。

 今回は急な都合で、生後8ヶ月の三女、歩(あゆみ)を伴っての参加となりました。同伴をお許し頂き、暖かく迎え入れてくださった皆様に、改めてお礼を申し上げます。

報告・水藤順子(芦屋 4 期生)



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