<2011年度 第1回・2011年4月16日 >

“パタパタ”という羽音がきこえる

 芦屋川の桜も葉桜へとなりつつある 4月16日、芦屋市民センター会議室において、2011年度第1回絵本講師の会(はばたきの会)が開催されました。

 私たち第 7期生にとっては、初めての交流会になります。緊張と期待を胸に受付を済ませると、修了式以来の再会を喜ぶ姿もあちらこちらで見受けられました。

 書籍コーナーには、待望の“絵本講師の本”、『絵本講師の本棚から わたしの心の中にある絵本たち』(絵本講師の会/編、 NPO法人「絵本で子育て」センター刊)も並んでおり、次々と皆様が手に取っておられました。

舛谷裕子副会長(芦屋 3期)の司会のもと、東日本大震災で被災された方々へ哀悼の意を表して黙祷を捧げ、静かに交流会はスタートしました。

森ゆり子理事長、大長咲子副会長(芦屋 1期)のご挨拶に続き、舛谷副会長より会則説明と2011年度幹事のご紹介があり、13名の方々が新幹事に承認されました。

その幹事のお一人でもいらっしゃる久賀弥生さん(芦屋 6期)が、講師活動の第一歩「絵本講師への道」と題し、ご自身の体験、心構えをお話してくださいました。

スーパーで号泣する子どもに困り果てているお母さん。そこへ見知らぬ方がそのお母さんのために、とあめ玉を差し出されたというエピソードに感銘を受けられ、「あめ玉のような講座」を目標にされておられること。一方通行で終わらせないよう、話し合いの場として講座後の数分間の会話を大切にされておられること。今までのご自身の経験や体験が絵本講座につながり、活かされているというお話が印象的でした。

また営業活動として、「絵本で子育て」センター HPのトップページ(森理事長のお話)を印刷したもの、絵本講座の案内、名刺、絵本フォーラムを持参されていることや、センターの出版物を紹介することで信頼感が高まることなど具体的なアドバイスもたくさんしてくださいました。お庭の草花に喩えられ「土を耕し、種を蒔き、水をあげていればいつかは必ず芽が出てきます!」という熱意溢れるお言葉に、新米絵本講師も背中を押されたような気持ちになりました。

続いて支部紹介があり、8つの支部(池田、南大阪、明石、枚方・交野・寝屋川、西宮、福岡、関門、東京)の代表の方が近況報告をしてくださいました。

そしていよいよ全員の自己紹介。「絵本講師として、決められた時間の中で伝えていくことも大切なことですよね」と、にこやかな司会の舛谷さんのお言葉とともに1人1分間(タイマーでチン!)の自己紹介が始まりました。個性いろいろの活動報告や近況報告に、会場からは笑いや感嘆の声が何度も聞かれました。絵本講師の数だけの講座や活動、思いがあることを改めて実感しました。

1時間の昼食休憩の後、午後の部は藤井勇市先生の講演から始まりました。

「 3・11の大震災を境に、日本は『小さな物語』(自分を中心にした考え、小さなコミュニティ)から『大きな物語』(人のことも考えられる社会)へと変化するべき時が来ている。人と人とのつながり、人間が人間であろうとする営み、これらを教えることが教育であり、今最も大切なことである。そのためにも私たち絵本講師は、メディア・リテラシーについてきちんと理解しておかなければならない。情報を精査・吟味し理解する能力が必要とされ、今は勉強の絶好の機会でもある」と原発問題やCO2、消費税などの問題を挙げられ、「詳しくはみなさんで勉強してください」と新たな学びの提案をしてくださいました。

 また読み聞かせについて、「ひとりひとりの考え方や個性を含んだ読み聞かせこそが、温かい気持ちとなり伝わる。読み聞かせは日常であるべきだ」と語ってくださり、読み聞かせの本来の目的を改めて考えさせられました。

 その後のグループワークでは、各グループで意見交換や活動報告、そして不安も残る 7期生への先輩講師からのアドバイスなど、今後の絵本講師としての活動に光が差すような、貴重な交流の時間となりました。

 最後に、井下陽子副会長(芦屋 1期)の「大変な時ですが、何をしていったらよいのか考えながら、それぞれ地元で活躍していきましょう!」というご挨拶によって交流会は終了しました。

 会場を去っていく絵本講師の皆様からは、パタパタという羽音が聞こえたような気がしました。交流会に参加し、私自身も新たなスタートをきる思いを強くいたしました。(さわい・あや)



報告者:澤井 彩(さわい・あや)芦屋7 期生



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