< 2014年度  第1回「絵本講師の会」合同交流会報告 (2014/04/12)

「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」

あいさつ森ゆり子 春うらら、新たな出会いへの期待に胸躍らせ、芦屋川の桜並木に咲き残ったピンクの花たちを愛でながら、芦屋市民センターへ参りました。
本日、本年度第1回目の「はばたきの会」交流会が開催されました。私を含め2か月前に第10期を修了したばかりの新米絵本講師も加わり、約60名が集いました。
司会進行は、富田啓子さん(芦屋8期)です。 森ゆり子理事長による開会のご挨拶。司会・富田啓子第一声は「朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」。かの偉大な古代中国の思想家・孔子による『論語』からの引用でした。
まさに、おっしゃるとおり。遠方の同志が集い、その友と語り合える今日の交流会の、なんと楽しくも豊かな学びの時間であったことか!!

はばたきの会会則説明・池田加津子.jpg  理事長のご挨拶に続いて、副会長の池田加津子さんより「はばたきの会」会則の説明と幹事のご紹介があり、滞りなく承認されました。
支部紹介、自己紹介と続き、視線が会場全体を一巡りしたところで、活動報告へと移りました。26年度幹事紹介


まずは、広報活動について山本昌美さん(芦屋8期)による実践報告です。新会員である私たち10期生に向けて、実際の広報活動を丁寧に詳細に伝えてくださいました。

名刺はもちろん、活動を紹広報活動・山本昌美介するために有効な広報グッズを具体的に挙げて教えてくださいました。
活動当初は、それらをいつも鞄の中に入れて持ち歩いていたという熱心さに脱帽。
企画提案から講座開催に至るまでの道のりを、ご自身の体験談を通して語ってくださり、これから新米絵本講師がすべき広報活動をリアルに思い描くことができました。
次に、ふくちゃんこと福島はるおさん(東京6期)による活動報告・福島はるお活動報告『そーだったのかー?絵本の世界』です。
福島さんは新潟市から夜行バスに乗って遥々芦屋市まで来られたとのこと。
約9時間の夜間移動を全く感じさせないパワフルな声と笑顔に、会場の空気が一転。報告後の質疑応答では、「朝早く起きてやって来て眠かったけど、福島さんのおかげで目が覚めました」と参加者から唯一の発言があり、会場に笑いを巻き起こしました。
絵本の読み聞かせもエネルギッシュ!あらためて絵本の楽しさを実感させていただきました。
実際に、福島さんは「絵本を楽しんでください」をモットーに絵本らいぶや絵本講座を新潟市各地で開催していらっしゃいます。
データに基づいた話の進め方は説得力があり、「へえ」と驚かされ、「なるほど」とうなずきながら拝聴しました。
絵本を毎日読んでいる家庭をもっともっと増やしたいという熱い思いを届けてくださいました。
昼食前に、午後のグループワークに備えてそれぞれ座席を移動。お弁当をいただきながら、自己紹介も含め、プレグループワークを楽しみました。絵本講座実演・熊懐賀代

午後は、熊懐賀代さん(芦屋4期)による絵本講座の実演からスタートです。
タイトルは『絵本で伝えるぬくもり子育て』で、保育園での親子講座という設定でした。
乳幼児同伴の講座なので、時折子どもに語りかける口調や笑顔がおっとりと親しみやすく、一瞬テンポが変わるので、自然と講座にメリハリが生まれます。
気分転換にわらべ歌を組み込むなど同伴の子どもを飽きさせないプログラム構成にベテランの技を感じました。わらべ歌を楽しむ幼い子ども達の笑い声が本当に聞こえてくるようでした。
熊懐さんの柔らかなお声が生み出す心地よい時間と空間に包まれながら、一人の母として絵本講座に聴き入ってしまいました。
乳幼児同伴講座への実践的な対策も載せてくださった参考資料は、今後の活動に大いに生かせるであろう貴重なお土産です。

絵本講師の心構え・藤井勇市 続いて、藤井勇市代表より『絵本講師としての心構えについて』お話がありました。
「いい絵本講師とは、考え続ける人だ」、「本好きな子に育てたいと親が願う真意は、ものを考えられる人間になってほしいのだ」というお話から始まり、そこからメディア・リテラシーについても言及され、絵本を届ける本質的な意味を説かれました。
「自分の考えを鮮明にできない人間は、人前で話すべきではない」という厳しいお言葉に、絵本講師として襟を正した思いです。
そして、あまたのメディアによる情報を比べ、自身の考えで情報を選び抜く力を養わねばならないと痛感しました。
「何十年も昔、絵本のなかった時代、その時代の子育てはおかしかったですか?」という藤井代表の問題提起にハッとさせられました。
絵本の力を借りなければ健やかな子育てができない現代。そんな現代社会の歪みや迷走する日本の現状をしっかりと見つめ、健やかな社会とは何かを自身の中で見出し、それを活動の根底に据えておかねばならないと、あらためて私たち絵本講師の存在意義を考えさせられました。

  交流会の最後は、グループワークです。
私たちのグループは、直前の藤井先生のお話グループワークを受けて、戦争・原発・経済格差という政治問題の討論会のような始まりとなりました。
様々な社会問題を好転させていく手段として「やっぱり絵本から始めましょうよ」とグループの誰もが確信したところで、次の話題へ。
読み聞かせの実践例を語り合う流れになり、現役中学生教諭の授業での絵本読み聞かせ、児童クラブでの読み聞かせ活動、午前の活動報告に登場したふくちゃんの絵本らいぶの様子など、具体的な学びがありました。
また多彩なメンバーならではの、絵本を通したほっこりエピソードも語られました。真剣に言葉を交わし合い、時には笑い声もおこり、徐々に熱くなっていったグループワーク。
それは私たちのグループのみならず、すべてのグループがそうであったらしく、副会長・大長咲子さんの締めのご挨拶では、「皆さんが熱く語り合い、会場が熱気に包まれています」との一言も。
「絵本講師は皆さん熱いなあ」と同志の存在が心強く、「その情熱こそ営業活動の大いなる原動力なのだ」としみじみ感じながら、自身の今後の活動へ意欲を湧き立たせて会場を後にしました。孔子の教えはやはり尊く……遠方より集いし仲間たちと過ごした1日は、なんとも楽しく刺激的でした。心から感謝!!

報告・岩本美和(芦屋10期)岩本美和

 



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