市川 洋美さん ペンでつながる心のタスキ、本の世界で遊ぶ楽しさを伝えたい

常陽新聞

常陽新聞 
2014年07月29日(火)
ペンでつながる心のタスキ

本の世界で遊ぶ楽しさを伝えたい

市川 洋美さん

 つくば市で暮らし、子育てをしていた二十数年前から、文庫のおばちゃんをやっている。家庭文庫を始めたばかりの友人に、「いっしょにやらない?」と声をかけられたのがきっかけだ。本の世界で遊ぶ楽しさを知っているから、それを子どもたちにも伝えたいと思ったのだ。たとえばあなたも、誰かに絵本を読んでもらってみてください。聞こえてくる言葉の響きが心地よく、同時に絵を見ていると、耳で聞いているよりもたくさんの物語が、絵の中に見えてくるだろう。そればかりでなく、読み手の息づかいや温もりも、感じることができるだろう。「絵本は自分で読む本ではなく、読んでもらう本、読んであげる本です」ということを、絵本講師の講座で学んでいるが、何を言わんとしているか、実感できる瞬間である。子どもにとって、絵本の読み聞かせを体験することは、想像の世界を広げることであり、読んでくれる人の愛情を、たっぷりと味わう時間である。読み手にとっても、子どもといっしょに物語を楽しみ、感動を共有し、愛情を表現できる大切な時間となる。それぞれの家庭で、絵本を読んであげるようになれば、(そのためには個人の努力だけではなく、社会的な支援も必要だろう)文庫のおばちゃんの出番はなくなる。 (桜川市、NPO法人「絵本で子育て」センター認定絵本講師)


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