10月の運動会や12月のクリスマス会で、ご近所の老人会との交流会を企画する幼稚園などが増えているようです。核家族に生まれ、お年寄りと親しく接する機会もなく成人する人も多くなりました。遠く離れ離れに暮らしていた親子が親の高齢化により同居を始め、いろいろな摩擦を繰り返して、結局別居してしまうというケースもまたたくさんあります。
おじいちゃん、おばあちゃんにも赤ちゃんの時代があったということ、年をとっていくということはだんだん子どもに返っていくのだということ、人は生まれてから確実に死に向かって生きていくものだということを子どもたちに伝え、また、現在年老いた親と一緒に暮らしながら、けんかの絶えない子どもにちょっぴり客観的に自分たちを見直す機会を与えてくれる絵本があります。『おばあちゃん』(大森真貴乃/作、ほるぷ出版)です。
高齢の親を亡くした後、この絵本を手に取り、もっと早くにこの絵本と出会いたかったと涙ながらにつぶやいた方がいます。きっと気持ちは親御さんに届いたことでしょう。
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『おばあちゃん』 (ほるぷ出版) |