私の絵本体験記
「絵本フォーラム」21号(2002年03.10)より
私の子育てに必要なもの
小野 たまみさん(福岡県福岡市)

写真  私は、子どもたちに絵本を読んでいる時の自分が大好きです。いつも口やかましい母親の私ですが、絵本を読み語っている時の私の声は自分で言うのも何ですが、とてもおだやかで自分でも落ち着くのです(笑)。
 それでも以前は、読み語りしている時の子どもの態度がいちいち気になり、注意したりしてイライラすることもありました。でも、そのうち「ここは幼稚園じゃない。子どもたちは私の声で絵本を読んでもらうことに、落ち着きと楽しみを見つけている。せっかくのこの時間をもっとおおらかに楽しんでいこう」と思えるようになりました。
 この時期を乗り越えられたのも、私のイライラにめげず兄妹で「ぼくはこれとこれ」「まいちゃんは今日三つ(三冊)いい?」と毎日私のところに絵本を運んでくれたおかげだと感謝しています。
 私は、5歳になる長男がお腹にいる頃から当時何冊か手元にあった絵本を読んで話しかけていました。そして生後2ヶ月くらいから、子どもと一緒に寝転んで絵本を楽しんでいました。その様子を見た人から「英才教育やね」と言われ、驚き落ち込んだこともありましたが、最近は絵本の読み聞かせが見直され、うれしく思っています。
 そして忘れてはならないのは、ほるぷフォーラムの存在です。絵本の深さ、読み聞かせの大切さを教えて頂いてから、子育てを通して社会へ貢献できるうれしさと、21世紀の人材を育てている使命を一段と感じています。親子共々これからも読書で心を耕していきたいです。
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