私の絵本体験記
「絵本フォーラム」25号(2002年11.10)より
プレゼントがいっぱい
小野 淳子さん(山形県天童市)

写真  『ほるぷこども図書館』がうちにやってきたのは、長男が1歳になる前だったと記憶しています。うれしくて、すぐ1冊を手に取り読み始めると、育児疲れもあったからでしょうか。心に栄養が染み渡っていくような、とても快い感覚だったことを覚えています。そして、いよいよ子どもを膝に抱き、読み聞かせの始まり始まり〜。ところが、自分の読み聞かせのあまりのひどさにがっかり。それでも毎日、繰り返し読んであげていたら、下手くそだった母も少しずつ上達し、子どもたちも喜んで聴いてくれるようになりました。さらに、調子に乗った母は、子どもたちにオリジナルの話をするまでに!(内容はお粗末ですが、子どもたちには大ウケ)子どもたちのために読んでいたはずが、いつの間にか母の心も徐々に豊かになり、創造力も養われていたのではないでしょうか。うれしい限りです。
 現在小学4年生の息子は、本好きで、昨年ハリーポッター3冊を読破。興味があること、知りたいことはよく図書館から借りてきた本で解決しているようです。読書が苦手な母は、読む習慣が身に付いている息子を羨ましく思います。小学1年の娘とは、こんなことがありました。買物をしている時、私が大根を手に「今日はふろふきだな」というと「あの山男のようにぶった切るんだね」という言葉が返ってきて、思わず笑ってしまいました。絵本が親子のコミュニケーションにも一役かってくれているのです。
 ほんの少し絵本の時間を作ってあげるだけで、子どもたちからステキな言葉や豊かな心のプレゼントが届くなんてすばらしいと思いませんか!これからも、子どもたちからのリクエストがある限り、楽しみながら読み聞かせを続けていきたいと思います。
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