私の絵本体験記
「絵本フォーラム」37号(2004年11.10)より
親子が向き合う時間を大切に
星子 亜伊子さん(福岡県筑紫郡)

写真  2人目を出産してから、気をつけてはいたのですが、いつの間にか下の子中心の生活が始まりました。つい上の子のことは後回しになりがちで、だんだん赤ちゃん返りがひどくなっていきました。
 しかも、育児休業をとる間、保育所は退所しなければなりません。きっと長男は1日中、下の子にやきもちを焼くのではと心配でした。
 そんなとき、ほるぷフォーラムのお話を聞く機会がありました。お話を聞いているうちに、読み聞かせが親子にとってすてきな時間であることを再び思い出しました。そして、少しでも長男の気持ちが落ち着いてくれればと思い、退所の日に間に合うように急いで本を届けてもらうことに決めました。
「これ、毎日どっさり読んでね」
 本が届いた日、長男はそう言って大喜びでした。退所してからは、相変わらず赤ちゃん返りが続いていましたが、下の子の母乳タイムやお昼寝のときなど、時間を見つけては、本棚からいろいろな本を持ってくるようになりました。今思えば、そうすることで、自分だけと向き合ってもらえるひとときを持とうとしていたのかもしれません。近ごろでは、気がつくと、自分一人でも本を引っ張り出しては、夢中になってページをめくっています。
 これから仕事に戻ると、あわただしくなっていくと思いますが、絵本タイムだけは大切にしていきたいと思います。
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