私の絵本体験記
「絵本フォーラム」41号(2005年07.10)より
もう、テレビはいらないよ
石川 優香理さん(山形県山形市)

写真  私が幼いころ、寝る前に母が絵本を読んでくれました。母は働いていましたので、その時間がとてもうれしかったことを今も覚えています。私もいつか母になったら、子どもに絵本を読んであげたいと思っていましたが、実際に子育てをしてみると、早期教育など、必要以上にたくさんの子ども向け情報におぼれ、子どもに何をしてあげたらいいんだろうと悩んでいました。
 そんなときにほるぷフォーラムと出会い、そこで読み聞かせの大切さを知りました。息子が1歳を過ぎたころで、絵本は少し持っていたのですが、私が選んで購入したものがほとんどでした。早速、『ほるぷこども図書館』を申し込みました。
 本が届いて間もなく、山形は寒い冬を迎えました。外は大雪。子どもを連れての外出もおっくうです。そのときに活躍したのが『ほるぷこども図書館』でした。外は悪天候なのに、気分は憂鬱になるどころか、絵本を読んでいるとあたたかく、時にはすがすがしい気持ちで過ごすことができました。また、幅広いジャンルから選ばれた本なので、楽しさに加え、バランスのよい心の栄養を吸収しているような感じがします。もうわが家では、絵本抜きの生活は考えられません。今まで見ていたテレビも、あまり必要でなくなりました。ニュースなども、テレビより新聞から知ることが多くなり、主人との会話も増えました。絵本のちからはこんなところにも影響しています。
 息子が1歳6カ月のとき、1人で『じゃあじゃあびりびり』を読んでいました。私は感激して、その小さな背中に声をかけてしまいそうになりましたが、一生懸命に読んでいるこの姿を私の心のアルバムにしまっておこうと、ぐっとこらえました。とても幸せな瞬間でした。
 絵本のすばらしさを知ることができた私たちは幸せです。これからどんな絵本に出会えるかと思うと、ワクワクしてきます。息子にもこの気持ちが届いてくれたらいいなと願いながら、これからも読み聞かせをしていこうと思っています。
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