私の絵本体験記
「絵本フォーラム」42号(2005年09.10)より
いっぱいの絵本に幸せを託して
岡本 晴美さん(兵庫県神戸市)

写真  今日も、高1、中1の子どもたちが学校での出来事を楽しそうに語ってくれます。あぁ、この子たちを産んでよかったと思う瞬間です。
 私は子どものころから本が好きで、特に絵本が大好きでした。そのこともあり、長男のときは胎教として絵本を読み、産まれてすぐから絵本づけとなりました。実は私が絵本を楽しんでいたようです。
 月日がたち、今回、『ほるぷこども図書館』の絵本を扱うことになりました。カタログを子どもに見せたところ、「ここに載っている絵本、家にない本を数えたほうが早いなぁ。僕、『ぐりとぐら』なんか鮮明に覚えているから、お話全部語れるよ」とのこと。そして、一つ一つ絵本を指さしながら、「これもこれも、お母さん何回も一生懸命読んでくれたね。毎日とっても楽しみに聞いていたよ」と言われたとき、2、3歳の子どもがそんなことを思いながら聞いていてくれたのかと思うと、少し涙ぐんでしまいました。高価なビデオセットや高い洋服を着せていたことは全く覚えてなくて、私と一緒に絵本を楽しんだ時間を大切に覚えていてくれました。やはり子どもは、親がかかわった分だけしっかりと覚えていてくれるものですね。
 昨今、青少年による悲しい事件が多数起きています。私の子どもたちにも全く皆無とは言い切れませんが、今薄れつつある親子のきずなが私たち親子の間ではしっかり太く結ばれているのは確かです。これも絵本にかかわったことが大きく影響しているのだと思われます。
 このような思いをお一人でも多くのお母様方に感じていただきたくて、絵本を通して得た経験が生かせるこの仕事を始めることにしました。
 これからも絵本にかかわって、少しでも多くの子どもさんに絵本の楽しみ、喜びを感じていただきたくて、ア・リトルトレジャー(小さな宝物)を開店いたしました。
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