私の絵本体験記
「絵本フォーラム」44号(2006年01.10)より
“自分の本”がある生活
岡山 土岐子さん(兵庫県芦屋市)

写真  現在1歳9カ月の息子が1歳を過ぎたころから本に興味を持ち始め、どのような絵本を見せたらよいのか暗中模索していたころ、育児サークルを通して絵本講座を出前していただきました。図書館や本屋にはあまりに多くの本があり、限られた時間の中で手当たり次第に探して手に入れた本を息子に読み聞かせていても、何か納得しきれないものがありました。『ほるぷこども図書館』には長年かけて専門家に選ばれた本がコースに分かれて入っていると聞き、「一度に大量に送られたら、読めるだろうか。興味を示さずむだになる本も出てくるのでは?」など、少しためらいもありましたが、「そのときには興味を示さなくても、後で示すことがある」「図書館で借りてくる本と自分の家の本とは違う」といったお話を聞き、購入を決意しました。
 現在、私の心配は杞憂となり、息子は今まで見向きもしなかった本を、突然「読んで」とせがみだしました。また、図書館の本と自分の本とを区別しているようです。気に入った本は、一度読み終えても、「もっぺん」と何度も繰り返し読まされます。気に入りのページやせりふもあるようで、『はけたよはけたよ』の主人公が「またどでん」とひっくり返るシーンを覚えて、1人でせりふを言いながらまねてひっくり返る姿を見ると、購入してよかったと感じる毎日です。私自身も現在は、ベストチョイスは既に確保されているという安心感のもと、精神的に余裕を持って、つけ足しの本を選ぶことができるようになりました。
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