バナー
バナー
2006年9月23日(土)

福岡朝日ビル
〜 絵本講座について 〜 第3編

報告者・幸山美登利

主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社  後援:朝日新聞社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・童心社・ほるぷ出版・理論社

 第3期「絵本講師・養成講座」は中盤を迎えました。毎回素晴らしい講師陣の指導により、受講生のみなさまは、「絵本の読み聞かせ」の本質と奥深さに触れ、講座に対する期待がますます膨らんできているのではないでしょうか。
  福岡会場の第3編「絵本講座について」の講座は2006年9月23日(土)に開催され、100%に近い出席率でした。

講座の写真  午前は、「テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している」という演題で片岡直樹氏に講演していただきました。片岡先生は「ショッキングな内容の話をしますよ」前置きされて講演を始められました。30年間小児科医として、子どもの現状をみつめてこられた研究事例を映像で示していただきました。そこにはテレビ・ビデオ・CD漬けにされた赤ちゃんの無表情、言葉が出ない現状がしされて講演を始められました。そこにはテレビ・ビデオ・CD漬けにされた赤ちゃんの無表情、言葉が出ない現状がしっかり映っていました。会場からはため息に似たどよめきが何度もおこりました。大人がしっかり声かけをし、スキンシップをしていくと、少しずつ笑顔と言葉を取り戻していくこどもの姿が映し出されると、安堵と納得のどよめきが起こりました。
  あかちゃんに人間の魂が宿るためには、デジタル育児ではなく、昔ながらのアナログ育児が不可欠の条件である理由を科学的に説明していただきました。アナログ育児に占める「絵本の読み聞かせ」の重要性を医学的見地から示していただき、受講生の方からは、「課題は重いけど、次世代の子どもたちにできるだけよい環境を…」、「子育て中のおかあさん達にこれだけは伝えたいね!」といといた声も聞かれ、絵本講師魂が揺さぶられる内容だったのではないかと思います。

講座の写真  午後は、「読み語りの楽しさ」を実演も含めて浜島誉志子氏が講演してくださいました。
  「絵本は人に魂を入れるもの。絵本は人生の道標。乳幼児期から絵本を通して情けのある声を聞いていると、インプットされ、どう生きていくとよいか知らず知らずのうちに心に入って、芯がぶれない人間になる」と、「絵本の読み聞かせ」の本質を説かれました。
  ご自身が翻訳された絵本、「マウイ、たいようをつかまえる」、「タニファ」、「はらっぱにライオンがいるよ!」 や、「はらぺこあおむし」、「太陽へとぶ矢」などの読み語りをとおして、絵本の持つメッセージ性は何かを考えたり、いかにして聴衆をひきつけるかという技法を楽しく学びました。今日は喉の調子がよいからとおっしゃって、時間を延長して35年間のキャリアを惜しみなく披露していただき、発声法まで指南していただきました。みなさん、ひきだしの中味が増えましたね。

講座の写真  基礎課題の総仕上げになる第3編は、絵本講師として使命感をかきたてられるものになったようです。
 最後のグループワークでは、「TVはよくないと聞いていたけど痛切に感じた」、「ショックだった」、「なんとか伝えなくてはいけないね」、「マンネリになっている自分に気合をいれるきっかけにする」など絵本講師としての未来の姿を見据えた活発な意見交換がありました。
  課題リポートについては、「2週間以内には提出してるよ」という方もいらっしゃれば、悩み多き方もいらっしゃるようです。「帰りの電車で開封して評価を読むのよ」とか、「大事なことはテキストの中に書いてあるよ」などの何気ない情報交換から、ヒントや連帯感が生まれているのだなと感じました。これから後半に向かい、レポートの量と質はますます深まってきます。絵本講師養成講座にとってのグループワークは、必須条件!だと思います。

(こうやま・みどり/絵本講師)

★芦屋会場リポート第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編
★福岡会場リポート第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編
★東京会場リポート第1編/第2編/第3編/第4編/第5編/第6編

ほるぷフォーラム ★ 絵本で子育てセンター