2007年1月13日、新年の挨拶とともに受講生たちが集まりました。5編目となるとグループのつながりが深まり受講生同士が開会前から親しく話をする姿が見られ、レポートや絵本について情報交換されている様子でした。
午前中は、九州理事・絵本講師の、松本直美さんによる「絵本講座をやってみよう」でした。
実際の絵本講座を聴くのは初めてという受講生が多い中、「絵本講座とは?」「絵本講師とは?」とても興味ある内容です。みんな松本講師の説得力のある話に聞き入っていました。
松本講師の絵本講座は、幼稚園、保育所の保護者を対象にしたものでした。『ちびゴリラのちびちび』(ルース・ボーンスタイン/作、ほるぷ出版)『いない いない ばあ』(松谷みよ子/ぶん、瀬川康男/え、童心社)などなどを読むなかで
・絵本を読んでもらうことにより、暖かい気持ちに包まれる。
・絵本は表紙から裏表紙までが絵本である。
・絵本は、あらすじを伝えるのではなく、ワクワク、ドキドキ、ハラハラの感情体験を親と子どもが共にすることである。
・絵本によって語彙を獲得できる。
・子どもに絵本を読んでいくことによって親子の共通体験ができ、親子関係を強く太くしていくことができる。
・現代は子どもが育つための「普通」「当たり前」がなくなった。だから、絵本により「普通」「当たり前」を作らねばならない。
・映像、メディアが子どもの発達・成長に害を及ぼしている。
ということを、さまざまのエピソードをまじえ分かりやすく話されました(沢山の引き出しを自分のなかに持っておくことが魅力ある絵本講師だと強く思いました)。
そして、最後に『すみれ島』(今西祐行/ぶん、松永禎朗/え、偕成社)を読んでくださいました。「わずか5分で読み終えるこの本は人に様々な感情を伝えてくれます。これが本なのです…」と松本さんが話したことが印象深く心に残りました。 午後からは、天野美佐子さん、松尾理恵子さんによる30分という時間内でお二人のミニ絵本講座がありました。
天野さんは、幼児をもつ保護者を対象にしたお話でした。児童虐待や凶悪事件の多い現代、絵本講師として何ができるか?絵本講座によりステキな絵本を紹介し、子育てのヒントにしてもらったり、そうやって会に集う機会を作ることでコミュニケーションの場をつくり、子育ては楽しいよ、地域で子育てをしていきましょう、ご近所付き合いのすすめというきっかけを絵本講師が作っていっているというお話をゆったりと包容力にあふれ話されました。
一方松尾さんは、中学校の教職の立場にいらっしゃった方で、小、中学生の保護者を対象にお話くださいました。中学生にも絵本は必要だ。絵本が育むものは、なんだろう?絵本を教訓代わりにして失敗した話をされながら、絵本を使って何かを知らせようでなく、まずおとなが楽しさを知って子どもに読むものであるということを聞いて随分納得しました。
受講生の皆さんは、毎回熱心に講座に出席し、レポートを重ね、修了まであとわずかとなりました。来年度からの自分の活動方法も気になるところであり、さまざまな質問を今日、講演いただいた絵本講師の方にされていました。
私としては、自分の心の中に沢山の引き出しを作り
、絵本のもつすばらしさを一人でも多くの人に伝えることができるよう自己研鑽を重ねていきたいと強く強く思った第5編でした。
(はら きょうこ/芦屋1期生)
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