夏休みも終わろうとしている8月26日日、第3期「絵本講師・養成講座」第3編「絵本講座について」が開催されました。
翌日に舞台を控え、ご多忙の中駆けつけてくださった浜島誉志子氏は「読み語りの楽しさ(実演)」と題してご講演くださいました。「絵本は人生の宝であり、その人の人格が深く関わってくるもの。だからこそ、自分を磨くこと、人格を高めることが大切」とのお言葉が印象的でした。
後半、氏のテクニック=愛情がふんだんに盛り込まれた絵本の読み語りは、まるで舞台を観ているようでした。体調を崩され、喉を痛めておられた氏のうぐいすのような美声を聞けなかったことがとても残念ですが、明るく、チャーミングな氏のお人柄に魅かれたのは私だけではなかったはずです。
午後からは片岡直樹氏により「テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している」と題してご講演頂きました。テレビ漬けになっていた幼い子どもたちの症例をいくつかご紹介いただきデジタル育児の怖さを目の当たりにしました。メディア漬けにされた子どもたちはコミュニケーション能力を著しく欠き、心のつながりさえも持てません。テレビの中の擬似体験ではなく、五感をフルに使った実体験が人間を人間足らしめるのです。
子どもたちの耳に私たちは何を届けられるのでしょうか?静寂の中で聞こえてくるのはお母さん、お父さんの声であって欲しいものです。「大人は情報を取捨選択できる力がある。それは長年生きてきた経験がそうさせてくれるからである。しかし、幼い子どもたちにまだその力は育っていない。そのことに気がついて欲しい」と、氏の結びのお言葉でした。
グループワークでは課題リポート、及びその他の疑問点、悩み、考えについて各グループに分かれて話し合いました。私が参加したグループでは、司書の方の悩み、講演を受けての読み聞かせのテクニックについて、現代の育児環境についてなどの話で盛り上がりました。お互いの意見を述べ合い、考えを新たにする貴重な時間となりました。
(せい みお/絵本講師)
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