第5回目の絵本講座が開催され、東京会場での講座もいよいよ終盤を迎えてきました。本日の講演を始める前に、「絵本で子育て」センターを応援し、講演を行っていただく予定であった岸本裕史氏が、胆のう癌の為死去されたことが受講生たちに伝えられました。「100マス計算」の産みの親として知られる岸本氏。氏からまだ沢山のことを教えていただきたく、とても残念ですが、皆でご冥福をお祈りしたいと思います。
午前の講演は「絵本で子育て」センター理事長である森ゆり子氏により、「絵本講座をやってみよう」と題し、幼稚園の保護者を対象とした講座を実践していただきました。
初めは会場全体に緊張した雰囲気がありましたが、読み聞かせから講座が始まると、すぐに受講生もその語りに引き込まれ、情報を逃さないようにと聞き入る様子が見られました。講座は、絵を読み取る子どもの力のすごさや良い絵本について、又読み聞かせによって情報を伝えることの大切さなどを、様々な絵本やエピソード、資料等を取り入れながら伝えられました。受講生方も新たな発見に驚きつつ、これまで学んできたことを再確認しているようでした。
また読み聞かせについて「森氏が淡々と自然に読まれていたため、話がすっと心に染み入ってきた」「優しい語りがとてもよか優しい語りがとてもよかた」などの感想があがり、つい演出をしてしまうという受講生もそれぞれが自分の読み聞かせのスタイルについて改めて考えられたようです。
この講座から、絵本講師という立場も明確にされ、その役割の大きさも感じられたことでしょう。そして学んできたことを自分の講座としてどう構築するのか、この講座で得たことを手本に、自分自身の素敵な絵本講座をつくり、頑張っていただきたいと思います。
午後の講演は、芦屋会場第二期修了生の中谷資子氏による、妊婦を対象とした絵本講座の実践でした。タイトルは「絵本の楽しいさ〜育児と育自〜」。受講生の前での講座はとても緊張すると言われていましたが、その様子が分からないくらいにしっかりと思いの伝わる講座であったと思います。
中谷氏は、おもちゃコンサルタントの資格をもっておられ、売れ筋おもちゃが反映する子どもたちの現状も交えながら話されました。ボタンひとつで要求に応えるおもちゃは、“面度見の良すぎるおもちゃ”
と呼ばれるそうで、想像力が育ちにくいと指摘されました。残念ながらこのようなおもちゃが人気なのだそうです。
自分が妊婦だとしたら子供を産む前にこの話を聞くことができてよかったと思うでしょう。又受講生としてはますます絵本の果たす役割の大きさ、読み聞かせの大切さについて強く感じたことと思います。そして「育児と育自」については、子どもたちは体とともに心にも栄養を与えなければならない、お母さんたちは子どもの心の栄養士である、と話されました。そしてそのためには読み聞かせを義務にせず楽しむこと、子どもとともに自分自身も心に栄養を与え、一緒に豊かになっていって欲しい、ということが伝えられました。その思いが受講生たちにも力強く伝わり、午前の講座に加えて、たくさんのことを学ぶことができたのではないかと思います。
グループワークでは、全体を二つに分け、2グループで行われました。初めに藤井専任講師より、最終リポートの説明があると、その大変そうな様子にあちこちから「うわ〜」「え〜!」との声が…。そしてリポートに新聞記事などを引用する場合の注意点などが伝えられるとともに、受講生たちにエールをおくられました。
グループの話し合いは、人数の多さやいつもと違うことから戸惑う様子もありましたが、「講座を簡潔にまとめることが難しそう」「絵本講師としてどのように活動していったらいいのか」など意見を交換し、様々な考えを聞くことができる有意義な時間となったと思います。私自身も受講生の頃を思い出し、身が引き締まる思いでした。三期生の方々とともに頑張っていかねばと思います。
そしていよいよ次回で第三期絵本講師養成講座も修了となります。リポートという大きな課題がありますが、無事に乗り越え、皆で一緒に活動の輪を広げていけるよう頑張りましょう!
(すえなが・みわ/芦屋2期生) |