第 4期「絵本講師・養成講座」福岡会場の第3編「絵本講座について」が平成19年9月15日土曜日、福岡朝日ビルにて開催されました。前回の第2編は、台風直撃のために交通事情で受講が難しかったメンバーもいたので、この日は久しぶりの仲間との再会となり和やかな一日となりました。
午前の部は浜島誉志子氏(作家・劇団天童主宰)による「読み語りの楽しさ」でした。浜島先生はこの春に生命に係わる体験( 10日間意識不明の重体)をされ、「神様が助けてくれた命と思い、この日本に必要なもの…日本を救国すること。すべてが真情です」と始まりました。
よい絵本を選ぶこと
『真・善・美』がある絵本を選ぶことです。今、愛情・勇気・優しさ・忍耐・親子の情など、情が世界から消えてきています。それから、他を生かす、相手を生かすことが日本の中で消えてきています。これらの体験のすべてが絵本でできるのです。子どもの想像力(イメージ)・創造力(クリエイティブ)を養います。
よい読み語りを、真情を伝えていくこと
一冊の絵本を持って、愛の情を伝える。それはどういう深みがあるかというと、ことば、絵で表現している絵本は心の料理そのものです。食材選びと料理の味付けで、情の世界が必要です。
そして『はらっぱにライオンがいるよ』『タニファ』『ひよこのコンコンがとまらない』などの絵本の読み語りも実演していただきました。
最後に、「絵本講師は人を救う活動です。皆さんは天使です。菩薩様です。正面から応援します。幸せを願っていたら足元にあります」とエールをいただきました。
私も天使のハネがちょっぴりあるのかなと、ひとり照れ笑いをしました。
午後の部は片岡直樹氏(川崎医科大学小児科教授)の「テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している」でした。
近代国家の現状・症例を映像( DVD)を通して説明していただきました。子ども、特に新生児にとって、テレビの一方的な音は言葉にならない。応答環境がないと自己認識の発達不全が起こり、五感が育たない。その副作用は、音過敏症、偏食、夜泣き、こだわりなど…。
人間は、目も、耳も二つある。そのことで、立体感・距離感・移動感が育つ。テレビ・ラジオ・ CDは、赤ちゃんにとって100%雑音と捉えすべて入り込む。
「赤ちゃんは、静かな環境・耳を澄ませて聞こえる環境を。自分の声で絵本を伝え、声の表情を伝えてください」と熱いメッセージをいただきました。
衝撃的な映像でしたが、環境や明るいお母さん(大人)の声で子どもたちが救われることを知り、絵本講師の活動の大切さを再認識しました。
講義終了後、藤井専任講師より
「現代の社会状況・環境は新たな生命を成長しにくくしている。絵本を通して手助けしたい。読んでいる人と、聞いている人が共に楽しんでいる。子どもの傍らにいるお母さん・お父さん・先生に語れる人になってもらいたい。」と言葉をいただきました。
グループワークでは、『いないいないばあ』を各人がメンバーへ読み聞かせをしました。年代や思いによってそれぞれの個性があり、これが「心の料理、味付けだ」「声の表情だ」と、今日のお二人の講座を思い出す場面がありました。
聴講生となり、新たな発見と気づきがある講座でした。絵本で子育ての思いを継続させるには、仲間との学びが一番の刺激となります。足元の喜びの積み重ねを大切に、できることからやり続けようと思います。
|