第 4期「絵本講師・養成講座」第3編(東京会場)が9月22日に開催されました。秋分の日が翌日というのにまだまだ暑い東京でした。会は数名の欠席者がありましたが、皆さん大変熱心に講義を受けていました。
午前は片岡直樹氏(川崎医科大学小児科教授)の「テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している」でした。
氏は、朝早くから会場にお見えになり、メディアが現実に起こしてしまっている子どもたちへの影響をより解りやすく伝えるために、パソコンを持ち込んで準備してくださいました。
「あかちゃんは、白いままで生まれてくる。けれども、 1〜3歳ぐらいまでに育つ環境でいろいろな影響が出ます。あかちゃんを育てるには、スキンシップです。大切な人の声(会話や絵本の読み聞かせ)を中心に理解すると同時に愛着を覚えます。テレビを消して絵本を読んであげましょう」と語られました。
氏はご自身が専門医として多くの子どもたちに接し、その中での想いを話されました。携帯電話を片手にあかちゃんを連れた若いお母さんたちをたびたび見かけますが、「子育ては大丈夫だろうか?」と不安になります。
氏は、こうした便利なメディア社会の裏側も正しく把握し、正しい使い方をしてほしいと話されました。今のような世の中が続いてしまうと、次の世代はどうなってしまうでしょう。
私たちは片岡氏のお話を真剣に受け止め、声を届けていかなければと思いました。
午後は浜島代志子氏(作家・劇団天童主宰)の「読み語りの楽しさ(実演)」でした。
氏は大変な事故にあわれ、まだ完治していないお身体に鞭打って「絵本は心で読むのよ。人の心に伝えていくもので、絵本ほど一人で運べて一人で読んで伝えることができるすばらしいものはないのよ」と絶賛されていました。
そして、子どもたちに「真・善・美」の 3点が育つように伝えていくには、すべてを含んでいる絵本の読み聞かせは欠かせないものと述べられ、ご自分が翻訳された『マウイたいようをつかまえる』を始め、数冊をすてきな声で読んでいただき、絵本の世界で楽しい時間を過ごすことができました。
グループワークでは、皆さん活発に発言され、子育て中の受講生はテレビ漬けの子育てを反省され、「帰ったらテレビを消します」など身近な話題でとても盛り上がり、和やかに終了時間を迎えました。
お二人の講師の方のそれぞれの立場での想いを受け、私たちは絵本講師として絵本の心をしっかり学びたいと思いました。
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