洗濯物がカラリと乾く季節になったころ、第 5 期「絵本講師・養成講座」(福岡会場)が 5 月 31 日、博多駅前の福岡朝日ビルで開催されました。
今年は、ナ・ナ、なぁんと!! 男性の方がお二人! 男女を問わず絵本に興味をもたれることは、なんとも嬉しい限りであります。多くの先生方や会場の特別な雰囲気に、去年はガチガチだった私も、この度は特別聴講生として、いつもと違う緊張感の中で学ぶことが出来ました。
開講式では松本直美先生が紹介してくださった『スイミー ちいさな かしこい さかなの はなし 』(レオ=レオニ、訳 / 谷川俊太郎、好学社)がなんとも印象的でした。
そして、私が尊敬してやまない中川正文先生が、たくさんの絵本の紹介とともに熱弁をふるってくださり、受講生ともども感激がドドーッと波になって押し寄せて来ました。
特に『すみれ島』(今西佑行 文・松永禎郎 絵、偕成社)では多くの人が涙をされていました。中川先生のお話にズドドッとあふれる感情は複雑なものです。もうすぐ台風シーズン? いえいえ、福岡会場には一足早い感動の嵐が吹き荒れたのでございます。
グループワークでは、様ざまな質問が飛び交っていました。図書館の司書をされている方、絵本を描きたいとおっしゃる方。特別聴講生の私たちは、良い刺激を受けました。
さてさて、昨今のニュースはとっても暗い。命を粗末にするものが多く、非常に残念です。ふと、テレビをつけると、あるアイドルがウケ狙いのためか、「あいつ、殺してもいいか?」とコメントして、会場が笑い声をあげている。
漫画でも「生きる資格」やら「生きても無意味」やら「死ね」という会話が頻出しています。
多くの子ども達は、直に大きな影響を受けています。一方的に受けるばかりの情報・映像の危険性にそろそろ気が付いた方が良い。
私は先月から、「昔取った何とやら」でバスガイドをしていますが、 10 年前の現役のころと違うのは私だけではない。子ども達が変わってしまった、と痛感。バスに乗ると開口一番。
「ビデオかけてー!」「 CD かけてー!」、子ども達の日ごろの生活が見えます。親の姿も見えます。
<私> 「なんで朝からビデオね?今から何処に向かうとかね?」
<生徒> 「吉野ヶ里ー!」
<私> 「そうやろー? 皆、卑弥呼、知っちょるかね?」
<生徒> 「知っちょお!」
「ねえねえ、お告げを聞いたち、本当なん?」
「神様って本当におるん?」 「ザビエルは、はげちょつたん?」
・・・ちょっと切っ掛けをつくれば会話が生れ、子ども達は多くのことを肌で感じ、聴いて知りたがっているのだ、と感じました。それをビデオや電子機器で遮断してしまうなら非常に勿体ないことだと思います。
先生は、生徒が動くバスの中でうろうろ歩いても注意しません。 10 年前では見られない光景です。
子どもがお腹に入った時からコミュニケーションは始まっています。
たとえ、私と長女のように血の繋がりはなくとも、心と心が繋がっていれば機械に頼らなくても触れ合いは可能です。「血の繋がり」に多くの人は拘るようですが、そんなに大事なものなら「親兄弟で殺し合い」や「赤ちゃんポスト」は、一体何だ、と思いませんか。
絵本の読み語り。それは愛の行為だ、と今回の講座を受けながらしみじみ思ったのでした。
(追記) 講座の内容に感激したため開講式の様子(内容)を割愛いたしました。開講式では、森ゆり子 ( NPO 法人「絵本で子育て」センター理事長) のあいさつをはじめ、天野美佐子氏(絵本講師)、ラボ教育センターの中内幸男氏らご来賓の皆様からたくさんのご祝辞をいただきました。 ありがとうございました。( みたに・しょうこ ) |