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報告者
 文・岸本安代(芦屋4期生)
写真・加藤美帆(芦屋3期生)
〜 閉講式 〜
第6編
2008年2月21日(土) 芦屋ラポルテホール
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・ほるぷ出版・理論社
特別協賛:ラボ教育センター

 余寒が厳しい中にも柔らかな光が射し、春の訪れを感じる 2 月 21 日、第 5 期「絵本講師・養成講座」 (芦屋会場) の閉講式が行われました。

 式は、中川正文氏 (大阪国際児童文学館名誉館長・作家)、 籠宮敏治氏 (岩崎書店・営業総括)、 舛谷裕子氏 (第 3 期生)、 大長咲子氏 (はばたきの会副会長) らのご臨席をいただき、修了証書の授与から始まりました。各グループの全員が一人一人名前を呼ばれ会場中央に整列します。代表者が森ゆり子理事長 (『絵本で子育て』センター) から修了証書を受け取り、全員が会場に向かって一礼すると広い会場を震わすような大きな拍手がおくられました。芦屋会場は今期 80 名の受講生が修了され、新たな絵本講師が誕生しました。

 森理事長は、「この講座で学んだことを、身近な人に話していくことから活動を始めてください。皆様と共に学んだ一年はとてもたのしい一年でした」というお祝いの言葉をおくりました。修了生の皆さんの顔からは、一年間に及ぶ学びを終えた達成感、満足感が伝わってきました。

 全体講評の藤井勇市専任講師は、「最終リポートを読ませていただき、真剣に取り組む姿勢が好感であった。また、体験や身近なエピソードは聴く人に親近感を持ってもらえる。秀れた作品が多くあったことが良かった」と講評されました。また、講演・講座を行う上でたいせつなことは、聴いていただく方に畏れや敬意を持っているか。寄り添うという姿勢があるかが大事。更に現代、子どもの変容が問題になっているが、この根底にあるのは大人たちの「ふるまい=行動」にあるのではないか。家族、家庭の在り方を見直すことが重要である、と話され修了生に声援をおくられました。

 続いて舛谷裕子氏は、「絵本を通してたくさんの出会いがあったと思います。その出会いをたいせつにし、何か困ったことがあれば一年間一緒に過ごした仲間を思い出してほしい」。
大長咲子氏からは、「ぜひ、はばたきの会に入会し、仲間と共に学びあっていきましよう。ただの『絵本好きおばさん』にならないで、学んだことを伝えていきましよう」、と心強いお祝いの言葉をいただきました。
  籠宮敏治様からは、「開講式でお約束したように、美しくなられた皆さんに会いたくて出かけてきた。本当に美しくなられていてびっくりした。これからは学んだことを活かし活躍してほしい。講座・講演で使用する絵本は、ぜひ岩崎書店の絵本で」と話され、会場から爆笑が起こりました。
  私たちの「絵本で子育て」センターの顧問でもある中川正文先生は、今年米寿をお迎えになられたとは思えないほど、若く活力に満ちたご祝辞をいただきました。

 この講座を一年間頑張ってきたことで終わるのではなく、終わりは同時にスタートでもある。これから皆さんは絵本の専門家として活動していく。頼りになるのは自分自身だという思いで、これから始まる日々に覚悟を決めて歩んでほしい。そして、絵本は「与える」のではなく、同じ平面で大人は読み手として感動した本を読み、子どもは聴き手として感動する、というように経験を同じくして共に成長することがたいせつである、と話されました。
中川先生のユーモアを交えたお話に、いつの間にか引き込まれてしまい、パワーをいただくと共に先生の言葉の重さが心の中に染み入ってくるのを感じました。

 午後は、画家・絵本作家の梅田俊作氏の記念講演「子ども時代の必須科目」です。先生の講演の前に奥様・梅田佳子氏が絵本の読み聞かせをしてくださいました。やさしい声での読み聞かせは、聴く者の心を温かく包み込みこころが安らぐ思いになりました。
  梅田俊作氏は、日和佐での生活の様子、伊座利の村の人たちとの交流を穏やかな声と表情で語られます。氏の熱い思いがどんどん心の中に入り込んでくるのを感じました。そして、現代を生きる大人たちの失ったものの大きさを考えました。また、フリースクールの取り組みを通し、遊びの中で自発的にルールを作る子どもたちの姿を見て、子どもの持っている力はむかしと変わっていない、と話されました。子どもにとって至福の時は絵本を読んでもらっている時間であり、大人と共通の時間を過ごすことだ、と言われたことが心の奥底に入ってきました。

 講演終了後、2グループに分けての記念撮影がありました。そして、お待ちかねの懇親茶話会です。司会は高梨香寿子さん (芦屋 2 期生) 。
  岩崎書店の籠宮敏治氏の乾杯の発声で宴の幕は上がります。広いホール全体が和やかな雰囲気に包まれます。あちらこちらで修了生の声が弾けます。記念撮影が始まります。会場が熱気で盛り上がった頃を見計らって、協賛いただいている各出版社からの祝電披露 (来栖史江さん=芦屋 3 期生) が行われ、続いて各グループ代表による講座の「感想」が発表されました。フロアーから拍手で壇上に送られる方、「頑張って」と声援を送られる方、一年間同じ目標に向かって学んできたもの同士の絆の強さを感じました。

  10 グループ全ての発表が終わったとき、突然、会場前方から「 11 グループがまだで〜す!」の声。会場には「?」マークが林立。なんと 11 グループとは、梅田俊作氏、籠宮敏治氏、有松孝子さん (特別聴講生) の即席トリオ 。会場は最高潮を迎えます。梅田氏が、籠宮氏と有松さんが描いた「線」「手型」「足型」を使って即興にストーリーを創作。新作絵本の誕生です。会場はすっかり梅田ワールドに。時間が早く進んでいきます。
時を忘れ、楽しい会話が弾んだ懇親会もお開きとなり、修了生は最終リポートを受け取り「絵本とのつながり・心と心のつながり」という大きな宝物を携え帰路に着きました。 (文/きしもと・やすよ、写真/かとう・みほ)

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