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報告者

福岡3期生

作本 由紀恵
〜 閉講式 〜
第6編
2009年3月7日(土) 福岡朝日ビル
主催:NPO法人「絵本で子育て」センター  共催:ほるぷフォーラム社
協賛:岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・ほるぷ出版・理論社
特別協賛:ラボ教育センター

 暖かな春の風を感じはじめた3月7日、第5期「絵本講師・養成講座」(福岡会場)の閉講式(修了証書授与)が行われ、新たな絵本講師誕生となる記念すべき日となりました。

 森ゆり子理事長より、「講座の回を重ねるごとに、受講生が、美しく生き生きと変化していくという伝説がありますが、皆さんは、どうだったでしょうか?」のお言葉をいただいた後、グループ毎に修了証書授与が行われました。受講者それぞれに修了を迎えるに至る1年、たくさんの出来事や思いがあったように、福岡会場でも受講された時にはおなかにいた赤ちゃんが誕生し、家族の協力を得ながら参加された方。「今日、孫ができました。娘の子どもが誕生しました」と笑顔で閉講式に臨まれた方。修了証を受け取った受講者の笑顔が、とても輝いていました。

 全体講評を藤井勇市専任講師より、講師の心構えとして、@自分の考えを鮮明しておくことA家庭、家族についての考え方を変えるときB学びつづける姿勢をもつことが、必要であることを伝えてくださいました。
  また、「絵本講座・養成講座」テキストの参考文献『急がされる子どもたち』(ディヴィット・エルカインド/著、戸根由紀恵/訳、紀伊国屋書店)を取り上げ、 30年前から現代の子どもたちの危機的な環境が指摘されていたと紹介されました。私たち絵本講師の役割が大きいことが実感することのできるお話でした。

 続いて祝辞をいただきました松本直美九州理事は、開講式で読まれた『スイミー』 (レオーレオニ、訳/ 谷川俊太郎、好学社)の話をされました。
  ひとりでたくさんの体験をしたスイミーは、どうしたでしょうか? 「スイミーは かんがえた。 いろいろ かんがえた。 うんと かんがえた」 そして、行動しました!みなさんも、考えて、考えて、うんと考えて、そして、絵本講師として是非、行動してください、と講師活動の背中を押してくれるメッセージをいただきました。

 第4期生の鹿野恵子氏は、虐待等を受けている子どもたちを具体的な数値で例に挙げられ、過酷な状況に置かれている子どもたちの現状を目の当たりとする機会となりました。
  子どもを救ってあげられるのも絵本であること。講師がその役割を担えることを感じました。
  第2期生の天野美佐子氏からは、絵本講師の誕生を待ち望んでいたとの歓迎のお言葉をいただきました。
  ラボ教育センター前九州総局長の中内幸男氏からは、絵本は、おちこぼれを作らない。絵本講師のような人材を世の中が欲しているとの嬉しいお言葉をいただきました。

 次に、梅田俊作氏の記念講演「子ども時代の必須課目」です。講演の前に、梅田佳子氏が、『よーい どんけつ いつとうしょう』 (梅田俊作・佳子/作・絵、岩崎書店) を読みきかせしてくださいました。
  この絵本の主人公には、モデルがいます。それが、夫である梅田俊作氏です。対照的に、佳子氏は、優等生でした。小さい時から、いろんなことをたくさん乗り越えてきた「しゅんちゃん」と、今では、立場が逆になっていますとおっしゃっていました。

 梅田俊作氏の話は、フリースクールや 『漁火 海の学校』 (梅田俊作/作・絵、ポプラ社) の舞台となっている伊座利での体験や出会いを例に挙げられ、わかりやすい言葉で、子どもが持ち備えている大きな可能性と子どもの育ちに影響を与えられる大人の存在の重要性を教えてくださいました。
  また、現代は、物があふれきっており、気づかないが、実は、物には、道具のもっている物語があるとおっしゃったように、私たちの周りには、常に物語が存在し続けていることが再認識できました。そして、子どもたちは、日々、たくさんのことを体験しており、嫌な言葉を聞いたり、いじめられたりしている。だから、信頼や愛を感じる至福の時間が必要であることを、毎晩、おこられるのと絵本を読んでいるのとでは? また、父親が子どもに絵本を読んであげることは、父親にとっての授乳の時間と、至福の時間の意味をわかりやすく表現してくださいました。これから、絵本講師としてはばたく受講生にとって、忘れられない記念講演となりました。

 午後は、記念撮影の後、梅田俊作氏の乾杯の音頭で、懇親茶話会が始まりました。1年、学びを共にし、もともと絵本を愛する受講生同士で、話も盛り上がり、楽しい雰囲気となりました。各グループで代表を決めてもらい、「受講生からひとこと」の発表がありました。さすがは、これから講師として活躍される方々であり、壇上にあがっても緊張することなく、堂々とした口調でお話をされていました。

 最後に事務局からの連絡で、第2期生の天野美佐子氏から、「はばたきの会」の説明がありました。是非、入会して、一緒に羽ばたいて行きましょう!との言葉は、温かく、新しい講師誕生を心から歓迎し、期待していることが感じられました。受講生からも、福岡での交流会の日程等の質問があり、福岡支部も新しい風が入り、今後ますます積極的な活動がなされていきそうに感じました。いつまでも会話は尽きず、時間だけが経過し、別れが名残惜しく、次回は交流会で再会できることを楽しみに、福岡会場閉講式が終了となりました。 (さくもと・ゆきえ)

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