新たな学びへの期待と熱意に包まれて
第12期「絵本講師・養成講座」が4月25日(土)、兵庫県芦屋市ラポルテホールにて、開催されました。外は初夏を思わせる陽気でしたが、会場の中も受講生の皆さんの今日から始まる新たな学びへの期待と熱意で活気に満ち溢れていました。
午前中の開講式では、森ゆり子理事長があいさつされ、この一年の学びによって受講生の皆さんがどんどん素敵になっていかれることを 確信しています、と述べられました。
次に大長咲子副理事長のあいさつの後、
小田由美さん(芦屋9期生)と浅越佐知子さん(芦屋7期生)から先輩としてこの講座への向き合い方や、楽しさなどを自身の経験に基づいたエピソードを交えお話ししてくださいました。
続いて、こぐま社の吉井康文氏は、まず『うめぼしさん』(かんざわとしこ/文、ましませつこ/絵、こぐま社) の読み聞かせをしてくださいました。リズムの良い文章と吉井氏の優しい声に受講生の皆さんは「読んでもらうことの心地よさ」を再確認されたようでした。また、現代の子どもたちの環境や家庭に言葉を取り戻すことの大切さを語られ、これからの受講生の学びにエールを贈ってくださいました。
午後からは今年100歳を迎えられたジャーナリストのむのたけ じ氏が「絵本とジャーナリズム」と題して講演をされました。
約80年に及ぶジャーナリストの仕事を通して様々な問題を考えてきたけれど、幼い子どもに関する問題を真剣に考えだしたのはここ数年で、幼児期というものが本当に尊いものなのだと分かった時に、今までの自分の態度を深く反省したと正直に告白されました。そして、現代の社会で次々に起こる青少年の凄惨な事件や、日に日にキナ臭くなる日本の政治や世界情勢など、様々な角度から子どもたちの今ある現状、 そして、子どもたちが平和な未来に生きられるように私たち大人がするべきことは何であるのかを熱く語ってくださいました。
女子中学生に初恋の話を質問されたエピソードなどを茶目っ気たっぷりにお話してくださいましたが、何時、誰に対しても同じ視線で心を込めて人に向き合うむの氏の人柄が垣間見え、会場も温かな空気に包まれました。

その後のグループワークでは、それぞれのグループで、むのた けじ氏の講演の感想や、子どもたちを取りまく環境の変化(メディアやスマートフォン等)、また自分自身が家庭や地域で行ってきた読み聞かせについてのことなど、様々な話題で活発な意見交換が行われていました。
(だいちょう・さきこ)

受講生の皆さん
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