第14期「絵本講師・養成講座」東京会場第1編(開講式)が2017年5月20日、飯田橋レインボービルにて開催されました。
受講生の皆さんの緊張感がひしひしと伝わるなか、大久保広子さん(東京5期)のアナウンスで開講式が始まりました。
最初に森ゆり子理事長から挨拶があり、その穏やかな口調で受講生の緊張はずいぶんほぐれてきたようでした。昨年度13期までで 1527名の絵本講師が誕生し、全国で活躍されていること。そして、その絵本講師それぞれが「街を歩けば絵本講師にあたる」くらいに活動を広げ、絵本で子育てする楽しさや大切さを多くの人たちに伝えていって欲しい、という理事長の願いを熱く語ってくださいました。また、今日、類を見ないような劣悪な育児環境を改善するために、絵本講師の果たす役割は大きいという理事長からのメッセージを、受講生の皆さんはうなずきながら、しっかりと受け止めている様子でした。
続いて、絵本講師 岡野悠子様(東京11期)、「絵本で子育て」センター理事 山中光江様、童心社 後藤修平様より挨拶があり、最後に太陽出版 籠宮敏治様からも応援のメッセージをいただきました。先輩講師や出版社の方々からの絵本講師に対する熱い思いを受けて、受講生にも、絵本講師というものの目指すものや役割が少しずつ見えてきたようで、皆さんの落ち着きが増したように見えました。
その後、グループワークの時間となりました。受講生はグループに分かれてリーダーとサブリーダーを決め、また自己紹介や講座に参加したきっかけ、絵本に対する思いなどを語り合い、お互いの距離が縮まっていきました。 
午後は「ぼくが原爆ドームになったわけ」という演題で、アーサー・ビナード氏の記念講演が行われました。
日本語に興味を持たれたきっかけや、日本語を勉強していくなかで「詩を書きたい」と思い、手に取った名詩集の中で宮沢賢治さんの詩に出会い感銘を受けたことなどを、ユーモアを交えて楽しく語ってくださり、会場は笑い声に包まれました。
また、最新作『ドームがたり』(アーサー・ビナード/作、スズキコージ/画、玉川大学出版部)は、「宮沢賢治さんの視点と原爆ドームを通して、原爆を語る作品を作りたい」という強い思いから生まれた作品とのことでした。この作品にこめられたビナード氏の深い思いをうかがうことができ、会場は大きな拍手で包まれながら講演終了となりました。 
その後、再びグループワークの時間となり、アーサー・ビナード氏の講演の感想やこの講座の学び方の説明、リポートについての質問を話し合い、絵本に興味を持ったきっかけやおすすめ絵本の紹介など、活発に意見交換が行われました。
第1編が終わる頃には、すっかり緊張もほぐれ、笑顔で会場を後にする受講生を目にし、今日の交流が和やかな充実したものであったことを実感しました。
今期も1年間、励まし合い、楽しみながら学んでいけたらと思います。
(おおいで・あゆみ)

第14期開講式会場風景
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