第15期絵本講師養成講座

報告者
あさごし さちこ
芦屋7期
浅越 佐知子
第4編 ~ 絵本講座の組み立て方 ~

2018年10月13日(土)CIVI研修センター新大阪東

主催:NPO法人「絵本で子育て」センター
協賛:アリス館・岩崎書店・偕成社・金の星社・こぐま社・鈴木出版・童心社・福音館書店

「学びの喜びを感じた1日」

 第15期「絵本講師・養成講座」大阪会場第4編が久しぶりの爽やかな秋晴れの日、2018年10月13日(土)、CIVI研修センター新大阪東にて開催されました。

  午前中は故中川正文先生の「絵本、わたしの旅立ち」という演題の講演をDVDで拝聴しました。ご自身の病故 中川正文氏(DVD講演)歴や現在闘病中であること、ご病気で声が出づらいことを話されましたが、時には力強く、またユーモアを含んだお話しに目の前で講演くださっているように感じました。

  絵本を届けることは人が人に大事な文化を伝えること、だからこそ絵本は子どもに「与える」「下ろす」等という考えはやめたほうがいい。一冊の絵本を仲立ちにして同じ平面(平座)で経験を同じくし、共に成長することが大切であるとお話しくださいました。だからこそ子どもの絵本は一番素敵な絵を見せてあげたい、良い絵本と出合うことで、人生はどこから来てどこへ行くのかということにも気づくようになり、くり返し何度でも読みたい本を選ぶことが大切だと話されました。

  そして人が優しい気持ちを持つことはどういうことかと問い、『すみれ島』(今西祐行/文、松永禎郎/絵、偕成社)を朗読してくださいました。平和の大切さを伝えていきたいとの先生の思い、「今日もリンゴの木を植える。明日地球が滅びようとも、それが人間の生き方の大事なことです」という力強い言葉にあらためて心が引き締まりました。折しも10月13日は中川先生の祥月命日。「しっかり考えて頑張りなさいよ」と微笑んでくださっているお顔が見えた気がしました。

藤井 勇市 午後からは「子どもに絵本を届ける大人の心構え」と題して、藤井勇市専任講師の講演でした。最初に危うい社会が到来しこの国が壊れていくのではと具体的な例を出して話され、私たち大人は社会が抱えている様々な問題に無関心にならず、その時代の危うさを感じ取る感性を持ち、しっかりと考えた上で子どもたちに絵本を届けなければならないのでは、とお話しされました。中川先生が本講座にお力添えくださることになった経緯。『きつねやぶのまんけはん』(中川正文/作、伊藤秀男/画、NPO法人「絵本で子育て」センター)を出版する際のエピソードを楽しく紹介くださいました。三つの「ない社会」(大人のいない社会、自分がいない社会、創造(想像)力のない社会)で生きる子どもたちでは、子どもは親の行動や発言を模倣する。だからこそ大人がかわらなければいけないと話されました。最後に、ご自分のお母さまやお祖母さまとの思い出から、背中で聴いた昔話、風のそよぎ、同じ時間を共有した思い出すべてが絵本である、絵本で親子をつないで欲しいと結ばれました。

  講演の本題に入る前には、『むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞』の賛同人に当センターがなったこと、2019年1月26日に『笑う102歳×2』の映画上演が決定し、多くの方の参加を願っていることを話されました。

  講演後、大長咲子副理事長からの養成講座の学び方の説明があり、グループワークに。私が参加したグループでは講演の感想やそれぞれが具体的な思いを活発に意見交換されていました。受講生の皆さんの学びに対する真摯な気持ちが伝わり、私も共に学びの喜びを感じた1日になりました。

 

(あさこし・さちこ) あさこしさちこ


(講座風景)

大阪第4編講座風景

第15期「絵本講師・養成講座」
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