「養成講座」の学び 佳境に
第15期「絵本講師・養成講座」大阪会場第5編が、2018年12月15日(土)、CIVI研修センター新大阪東で開催されました。
午前の講演は、森ゆり子理事長の絵本講座実演『絵本で子育て』です。読んでもらう経験を皆さんに感じていただきたいと『ちびゴリラのちびちび』の読み聞かせから始まりました。絵から言葉が沢山溢れていて、絵が表す言葉を読み取ることの大切さを語られました。
赤羽末吉氏の「子どもに届ける芸術作品は子どもだましではいけない」という言葉を引用され、絵本を読み聞かせるということについて皆が真剣に考える時間になりました。
『いいこって どんなこ?』『わたしのいもうと』の読み聞かせからは、昨今のネグレクトやいじめなどにも触れ、世の中のニュースを交えながらお話くださいました。家庭に言葉が少なくなっていることを懸念され、絵本を読むことで家庭に言葉を取り戻して ほしいと熱く語られました。
データ紹介では、日本の子どもの自尊感情が世界的に低いということに着目され、絵本を読むことは「あなたを大切に思っている」ということを、子ども自身がそう感じることにもつながるのではないかと。改めて子育てにおける絵本の大切さや位置づけについて考える機会になりました。「めいっぱいの甘えが、しっかりした自立を促す。愛を伝える絵本を読んであげてください」との言葉に深く共感いたしました。

午後の講演は片岡直樹先生が『テレビ・ビデオ・スマホが子どもの心を破壊している』と題しご講演されました。乳幼児の電子メディア接触と言葉遅れ(発達障害)について症例ビデオとともにお話くださいました。
先生は40年以上にわたって子どもの発達環境に警笛を鳴らされております。 母親と子どもが一緒に遊び、母親を真似て発する言葉「話し言葉」こそが子どもにとって大切なことで、絵本の読み聞かせはその行為であり、何よりも大事であると語られました。
また、別府真琴氏の著書を紹介され、「話ことば」と「読み書きこ とば」の相違についても触れられました。「お母さんの声、顔、手で十分遊べるんです。言葉があふれた家庭で生活していくことで、子は豊かに育つんです」と自身の経験からも強い思いを私たちに語りかけてくださいました。
「赤ちゃんの神経回路は親が作るものであり、模倣とスキンシップが大切」。テレビ、ゲームはいけないというのではなく1000以上もの症例や研究から得られたことを私たちに伝えてくださいました。

講演終了後大西徳子さんより「はばたきの会・絵本講師の会」についての説明がありました。
グループワークでは今後の活動に対しいろいろな意見も飛び交っていました。
さていよいよ次回は2019年2月16日の閉講式となります。受講生の皆様がどのようなお気持ちでどのような表情でお越しになられ最終講座を学ばれていくのかとても楽しみです。
(かとう・みほ) 
(講座風景)

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