22期 大阪会場第2編


2025年6月21(土)

「親子をつなぐ絵本」

後藤 純子
後藤 純子

第22期「絵本講師・養成講座」大阪会場第2編が2025年6月21日(土)、CIVI研修センター新大阪東で開催されました。開場して10分足らずで席の半分以上が埋まり、受講生の期待感や喜びが伝わってくるようでした。

故・松居 直氏 DVD講演
故・松居 直氏 DVD講演

後藤純子さん(芦屋4期)の司会でスタートした午前の部。

故・松居直先生の講演「絵本のよろこび」をDVDで視聴しました。児童文学家であり福音館書店の編集者であった松居先生は冒頭で「読者の皆さんに感謝申し上げたい。お目にかかれることが嬉しい」と仰っており、謙虚であたたかな人柄を感じました。お自身のお子さんに対しても、お忙しい中で真摯に向き合い、共に過ごす時間を本当に大切になさってこられた松居先生。タイトル「絵本のよろこび」を象徴するかのような優しい表情で、楽しそうに息子さんたちやお母様のことを語られているのが印象的でした。

「読書は本と人との関係」「絵本の作者は忘れても読んでくれた人のことは憶えている」「言葉は人と人とをつなぐもの」とのお話、まさに先生の実体験に裏付けられた「生きた言葉」で語っておられました。DVDは2010年、第7期「絵本講師・養成講座」の録画ですが、今なお変わらない大切な事を伝えてくださいました。

𠮷井 康文氏
𠮷井 康文氏

休憩をはさみ、午後の部は𠮷井康文先生の講演「絵本の絵を読む魅力と大切さ~文字なし絵本・昔話絵本から学ぶ」でした。文字のない絵本はどう読み聞かせてよいものかと迷い、敬遠されることもあるけれど、絵によってものがたりを語らせる究極の絵本の形、読み手と聞き手の間にさまざまな言葉がうまれる、とのお話。

そして、『りんごとちょう』(イエラ・マリ エンゾ・マリ/作、ほるぷ出版)、『どうぶつのおやこ』(薮内正幸/画、福音館書店)、『ぞうのボタン』(うえののりこ/さく、冨山房)、『おふろやさん』(西村繁男/作、福音館書店)など、昔話では『だいくとおにろく』(松居直/再話、赤羽末吉/画、福音館書店)、『三びきのやぎのがらがらどん』(北欧民話 マーシャ・ブラウン/絵、瀬田貞二/訳、福音館書店)など、たくさんの絵本を紹介してくださいました。絵本の解説のみならず、作家の人生や絵本が出版された経緯など、とても興味深いものでした。受講生たちの、にこにこと楽しそうであったり、感慨深げにうなずいている様子に、文字なし絵本や昔話の魅力と大切さが伝わっていると感じました。

大長 咲子
大長 咲子

続いて大長咲子副理事長(芦屋1期)から「絵本講師・養成講座」の学び方のお話がありました。

その後、グループワークに移りました。グループワークでは、松居先生と𠮷井先生の講演の感想や、普段の絵本に関わる活動を発表したり、質問し合ったりなど、とても充実した時間になりました。

    スタッフ
    スタッフ
  スタッフ
  スタッフ

私は、ただ子どもに絵本を届けたいのではなく、親子を絵本で繋ぎたいということの改めて気付かされた一日でした。


報告者 樋口 由姫
報告者 樋口 由姫