2025年11月29日(土)



第22期「絵本講師・養成講座」東京会場 第4編が11月29日(土)、飯田橋レインボービルで開催されました。
第4編ともなると、会場に到着された皆さんは、2ヶ月ぶりに会った同期の方々と談笑されたり、販売している参考図書を手に取って読まれたり、それぞれが受講を楽しんでおられるようです。
大久保広子さん(東京5期)の司会で始まりました。
午前は、故・中川正文先生の2010年の講座「絵本・わたしの旅立ち」のDVDを視聴しました。中川先生は当時、国際児童文学館の名誉館長で、文学館に寄せられる絵本についての様々な質問やその問題点に触れながら、子どもに絵本を手渡すことの大切さや、大人が子どもと同じ視点に立つことの重要性。また、大人が子どもを「育てる」のではなく、子育ての中で大人こそが「成長させてもらっている」ということを忘れないでいてほしいという、子どもに向き合う基本的な大人の立ち位置を語ってくださいました。また、子どもに絵本を手渡す時に、何を基準に絵本を選べばよいのかを具体的な例を挙げながら教えてくださいました。
最後に朗読してくださった『すみれ島』(今西祐行)には、平和な世界を心から願う、中川先生の思いが伝わってきて、多くの受講生が涙ぐみながら聞いておられました。

お昼の休憩をはさんで、午後の講演は藤井勇市顧問による「子どもに絵本を届ける大人の心構え」です。午前の中川先生の講座の内容に触れながら、「絵本講師・養成講座」を開講する際に中川先生に協力をお願いしに行ったこと、また中川先生の遺作となった『きつねやぶのまんけはん』(NPO法人「絵本で子育て」センター刊)の制作秘話、中川先生とともに協力してくださった、故・松居直先生の思い出などを語られました。
そして、開講当時から大切にしている「家庭に言葉を取り戻すことの重要性」を当時の子育て環境と、現代の子どもを取り巻く環境を比較しながら、絵本講師として常に社会の出来事にアンテナをはりながら、自分自身の考えを持つことの大切さに言及されました。
その後、大久保広子さんから「絵本講師・養成講座」の学び方についての説明があり、3回の受講を終え、学ぶにつれ出てくる受講生からの質問に対して丁寧に答えてくださいました。

グループワークではそれぞれのグループで、午前・午後の講演の感想や、各自が関わっている職場やボランティア、また自分自身の子育てなどの中で、今の子どもたちが直面している問題や思いを語り合ったり、課題リポートについての確認など活発な意見交換が交わされました。
養成講座も後半に入り、受講生の皆さんも自分の「絵本講師」としてのイメージが少しずつ見えてきたように思われます。残す2回の講座も楽しみながら受講していただきたいと思いました。(だいちょう・さきこ)

