2025年5月17(土)
第22期「絵本講師・養成講座」東京会場 第1編が2025年5月17日(土)、飯田橋レインボービルにおいて開催されました。54名の受講生の皆さんを迎え、大久保広子さん(東京5期)の司会で開講式が始まりました。
はじめに森ゆり子理事長より「22期を迎え絵本講師の数は2300人になりました。絵本で子育てする楽しさ、絵本の素敵さを伝えてほしい。不思議な縁で皆さんと学んでいけることをうれしく思います」とお話がありました。
続いて大長咲子副理事長(芦屋1期)は、「はらぺこあおむしのように貪欲にむしゃむしゃ食べ尽くして学んでください。1年後皆さんがきれいな蝶になるのを楽しみにしています」と話されました。
次に来賓の皆さまからご祝辞をいただきました。藤田一美様(東京11期)は、「この講座でよい仲間に出会ってください。よい人はよい光を与えます。そのよい光を浴びて光を反射してよい光を発してください」とのお言葉をくださいました。
続いて後藤修平様(株式会社童心社)は、「皆さん正しい選択をしました。学ぶことがたくさんある講演です。学ぶ仲間がたくさんいます。皆さんを心から応援します」と力強いエールをくださいました。
波賀稔様(鈴木出版株式会社)は、「この講座は‟絵本で子育て”と目標がはっきりしています。この講座を、自信を持って受ければ道は開けてきます」と、受講生の皆さんの背中を押してくださいました。
次に藤井勇市顧問より「講座の学び方」では「学ぶほど新たな疑問が発生するのが、本当の学ぶということです。楽しく元気に学んでいってください」と学ぶ姿勢についてお話がありました。
アーサー・ビナード氏
後は、『「やばい」絵本と「正しい」絵本の見分け方』と題したアーサー・ビナード氏の記念講演です。
米国ミシガン州で生まれたビナード氏は、大学生の時にイタリア語、インドのタミール語を学び、やがて日本語と出会います。英語以外の言語を学ぶことで、「世界は同じだけれど、言葉のレンズを外すことで見ている世界が変わる」と感じたと冒頭で話されました。
立場により見方が変わる例として、アメリカでは原爆は戦争を早く終わらせるために必要だったという考えだが、日本は違っていたこと。東京大空襲で10万人もの死者を出した紙芝居を使ったプロパガンダや、日本だけが取り組んでいるというSDGsについても言及されました。
ビナード氏の新作の『やばっ!』(トミー・ウンゲラー/さく、好学社)の通り、私たちは実は‟やばい”世界にいるのかもしれません。「大きなからくり、流れを変えることはできないが自分を変えることはできる。興味を持ち定説を疑ってみる。他国の人と比べてみると発見があるかもしれない」というお話が深く残りました。
まずは自分の中のレンズを外す練習から始めようと思いました。(おか・みさお)