おすすめ絵本

「絵本フォーラム」第129号
(2020.03.10)









チンチラカと大男

『チンチラカと大男』
片山ふえ/文 スズキコージ/絵 
BL出版

3人兄弟の末っ子のチンチラカは、王様に魔の山に住む大男から黄金のつぼを取ってくるように言われます。チンチラカはドリルとシャベルをもらって知恵を使って王様のためにつぼを手に入れます。すると、王様は今度は魔法の楽器のパンデゥリを手に入れるように命じます。山に囲まれた国ジョージアの昔話。大胆な構図でチンチラカの活躍をいきいきと描いた絵が魅力的です。


(税込価格1,760円


「へてかへねかめ」おふろでね


『おまつりをたのしんだおつきさま 
メキシコのおはなし』

マシュー・ゴラブ/文 
レオビヒルド・マルティネス/絵 
さくまゆみこ/訳 
のら書店

 星たちが「たのしい あそびも おまつりも、みんな おひさまの もとでしか みられない」から「おひさまの そらに ひっこししたいな。」と言っているのを聞いたおつきさまは、夜にお祭りをすることにしました。紙のランタンやたくさんの食べ物を用意して、みんな歌ったり踊ったりしてお祭りを楽しみました。メキシコ・オアハカ地方に伝わる物語。民族性豊かな絵が自然とともに生きる人々の暮らしをあたたかく描いています。


(税込価格1,760円









コレットのにげたインコ


目で見てかんじて 
世界がみえてくる絵本
』 
ロマナ・ロマニーシン/著 
アンドリー・レシヴ/著 
広松由希子/訳 
河出書房新社

  黒い帽子に白フクロウが乗った蛍光ピンクの表紙を開くと、青い見返しの左に閉じた人間の両目があり、右には開いた両目が描かれています。この本は、「見るとは?」「色とは?」「イメージとは?」などの科学的な事象が洗練されたデザインと詩的な文章でユーモラスかつ哲学的に紹介されています。目が見えない人にとっての「見る」とはどういうことかも書かれており、画面の美しさは見ることの楽しさを実感させてくれます。


(税込価格2,200円


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