東京で桜の開花宣言がされた 3 月 21 日(土)、第 5 期「絵本講師・養成講座」東京会場の閉講式が行われました。
式は森理事長からの修了証書授与に始まりました。名前を呼ばれ演壇前に並ばれる修了生の皆さんの表情は一様に清々しく、また、ほころび始めた桜の花びらと同じようにほんのりピンク色に頬をそめられ、とてもおきれいです。
「1年間の学びを終えられた皆さんは、とてもお美しい」との理事長のお祝いのお言葉に、ご臨席いただいた方々を始めスタッフ全員大きくうなずいていました。
藤井専任講師による全体講評では、東京第 5 期がとりわけ優秀な方が多かったとの感想に始まり、講座をする際の心構えや注意点、現代の子ども達の生育環境について、そして「本日は修了の日ではあるが、新たな絵本の旅への出発の日でもある」と学びの姿勢についてお話いただきました。
受講生の皆さんは、いつもながらの笑いを含みながらのお話に微笑みつつも、新たな旅立ちへの意志を感じられる真摯な表情で聴いておられました。
続いて、ご臨席の皆様方から祝辞をいただきました。 はばたきの会副会長の井下陽子さんからは、はばたきの会の説明や交流会について、そして絵本講師の先輩として「たくさん失敗してたくさん悩んで欲しい。その中で二歩、三歩と進んでいって欲しい」と励ましのお言葉をいただきました。
「絵本で子育て」センター理事の山中光江さんは、1年間頑張って修了したことへのねぎらいのお言葉と、それを地元に持ち帰って活躍して欲しい、ここから更にはばたいて欲しい、と激励されました。
ラボ教育センターの木村智様は、子育てを取り巻く地域環境の現実について語られ、孤独育児を支援する場である育児サークルや、キッズスペースのある店舗、子育て支援について考えている企業などたくさんある、絵本講師として活動する場について様々な提案をいただきました。
そして岩崎書店の籠宮敏治様は、「1年の学びを修了された皆さんは、間違いなく光輝いている」というお言葉を贈られ、また絵本講師としての活動の中で良質の絵本を紹介して欲しい、特に岩崎書店の良い絵本たちを活用して欲しい、とユーモアを交え温かい雰囲気でまとめてくださいました。
閉講式終了後は休憩を挟み、梅田俊作先生による記念講演です。さりげなく楽しいお話で始まる梅田先生の優しい語り口に、皆リラックスし、瞳をキラキラさせて耳を傾けていました。
ご自身の著書『しらんぷり』(梅田俊作・佳子/作・絵 ポプラ社)にまつわるエピソードや徳島県日和佐美波町の清流のお話の中に、現代の様々な変化や学習障害、言葉の力についてなど、身のひきしまるお話もたくさん織り交ぜて語ってくださいました。
絵本講師として、大人として、今後何をしていくべきかと考えさせられるお話でもありました。
最後には奥様である梅田佳子先生が、ご自身の子育てにまつわるお話と『ラブ・ユー・フォーエバー』(ロバート・マンチ/作 梅田俊作/絵 乃木りか/訳 岩崎書店)の読み聞かせをしてくださり、その穏やかで耳に心地よいお声に皆うっとり。お二人のやさしいお人柄の伝わる記念講演はとても印象深く、また、心温まる一時 (ひととき) でもありました。
その後は岡部雅子さん (芦屋 2 期生) 司会による懇親茶話会が、籠宮敏治様の乾杯の音頭により、なごやかに始まりました。今まで一年間共に学んできた仲間との歓談の時間に、修了生の皆さんの表情は明るく輝いています。
「受講生からひとこと」として各グループ1名ずつお話いただきましたが、皆さんそれぞれに個性的で魅力的な語り口です。今後の絵本講師としてのご活躍が目に見えるようでとても喜ばしく、また、私たちも頑張らなくてはと励まされる思いでもありました。
そして、何度も登場し、楽しい時間を演出してくださった俊作先生に全員が大きな拍手。笑いの絶えないまま懇親会は、あっという間に終わりの時間を迎えました。
閉講式は、何度参加させていただいても、素晴らしい体験ができると感じます。修了された皆さん方の明るく晴れ晴れしい表情と、これからの活動へ向けての前向きな姿勢に、こちらの背筋まで伸びます。また、新しい絵本講師の仲間が誕生したことに大きな喜びを感じつつ、素晴らしい場に、ご一緒させていただけたことに感謝しながら家路につきました。(なかむら・りな)
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